文豪ナビシリーズは読みやすい。
桐野夏生の谷崎観の変化が興味深い。
「読書という体験のおもしろいところは、その時に自分が反映されることに尽きる。小説自体は変わらなく存在するが、読み手の変貌につれて、小説世界は様相を変えるのである」
「若い時分の違和と嫌悪もまた、本当に作家を知るためには必要な回路だった」
「小説と読者は縁で結ばれている。作家の真の姿というのは読者が一生をかけてやっとわかるものなのである」
芥川との文学論争で「具体的なシーンを無数にパッチワークしてつなぐ」長編小説のスタイルを自覚したというあたりが興味深かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2009年7月6日
- 読了日 : 2009年7月6日
- 本棚登録日 : 2009年7月6日
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