開始十数ページは退屈で、ガマンしながら読みました。中盤からおもしろさがじわりじわりと出てきたように思います。
三人称がとても合う作品でした。まるで楽曲のように、ある終点に向かってうねりながら流れていくさまが見えてくるようでした。終盤は特にそれが顕著で、解説にもあったと思うのですが、だんだんラストが分かってきたぞってなる人多かったんじゃないかと思います。
自分も読みながら、プロの作家が書くならばラストのオチは「そうでなければならない」「そうくるに違いない」と予感めいたものを感じながらページをめくっていたのですが、また一方で「この予想を超えて、あるいは裏切ってくれたなら自分はこの本をたいへん気に入るのに」とも思っていました。
用意されたようなオチ通りでない、読者の予想もつかないような、かつ納得のできる別の結末。そういうものが読めたらもっと良かったです。おもしろかったけど、最後はまぁそうなるよね、で終わってしまった作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年12月5日
- 読了日 : 2014年12月5日
- 本棚登録日 : 2014年12月5日
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