少年は、二度太陽を殺す: 若き宰相の帝国 (角川ビーンズ文庫 63-1)

著者 :
  • KADOKAWA (2007年1月1日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 9
4

読みやすく世界に入り込みやすくて、まさに理想のラノベ。
著者の和泉先生がビーンズ小説大賞で優秀賞を受賞した作品らしいですが、なるほどこれは。優秀賞納得。
王道かと思いきや、そうではない。一癖も二癖もある設定と展開。
キャラクターもそれぞれが生きていて、個々の持つ強い思いもちゃんと書いてくれた。

砂漠に生まれ育った主人公のヤンは、その地に似合わぬ白い肌と金髪の持ち主。
自分をかばい、重傷を負って連れ去られた父から譲り受けた笛を持ち、相棒のサバクネズミ、シャムーと共に海を目指す旅に出る。
父親がかつて話した憧れの海へ向かうヤンだったが、途中立ち寄ったアグラス王国で、王族を狙った襲撃事件に遭遇。
ひょんなことから王子イウサールを助け出すことになるのだが、イウサールはヤンの笛とそっくりな笛を持つ少年だった。
どうやら二人の持つ笛は特殊な力を持っているらしく、世界に散らばる四本の笛をそれぞれの適合者が奏でた時、何かとんでもない事が起こるらしい。
笛の収集のためなら、どんな犠牲もいとわない冷酷なダジャール帝国軍。
はたして馬が合わず喧嘩してばかりのヤンとイウサールは、帝国軍から逃げ切ることができるのか…?

ちょっとあらすじ省きすぎて間違ってるとこもありますが、こんな感じ。
個人的に今回気に入ったのは、踊り子のルゥルゥとサバクネズミのシャムーの可愛さ(笑)
ぜひ映像にして見てみたい! いや、でもシャムーの小動物系うるるん目と、ルゥルゥの踊りはもう文字の上でも存分に堪能できた(笑)
設定的にはさ、性格の合わない野生児と王子様がいがみ合いながら旅をして、笛を集めると何かが起こるとか、わりと王道なところじゃない。
でもさ、違うの。いやー、最初に裏表紙のあらすじ読んだだけでナメてかかって本当にスイマセンって感じで(;□;)!!
実にワクワクしながら旅を楽しめた。終わり方は意外とあっさりしてたけど、どうやら続編があるようなんだね。それで納得。
イウサールのおねぇちゃんとか、ヤンの父さんとか刺青の人とかシターァ宰相とかよく回収されてないので楽しみ。

イラストも素敵で、まさにヤンのイメージにピッタリでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2009年12月13日
読了日 : 2009年12月13日
本棚登録日 : 2009年12月13日

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