成功の法則92ヶ条

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  • 幻冬舎 (2009年6月1日発売)
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【総評】
楽天グループを牽引する、三木谷さんの作品。彼の成功哲学の各論的、技術論的なものとして、これを著したという。
すごくやわらくて包み込むようだけど、しっかりとがっている所はとがっている彼の考えに共感するところが多かった。

下に挙げる気になったフレーズも、似たような概念は多く聞いたことはあると思うが、
自分と比べ彼はそこから半歩くらい先のところまで概念を拡張して認識しているような気がする。
その半歩分の概念を知ることができて、非常に有益だった。

彼は周りを鼓舞しながら、周りと一緒に成長していくタイプのリーダーなのだろうと思う。
20代の今、おそらくこの手の本に共感できるのは普通なんだと思う。
40代になっても、この様な言葉に共感し、なおそれを口に出せる、輝いた人間でありたいと思う。




【気になったフレーズ】
・常識を疑い、常識に反することを恐れず、自分の信じる道を進もう

・月に行こうという目標があったから、アポロは月に行けた。飛行機を改良した結果、月に行けた訳ではない。

・日本では、社会人になった途端、勉強をしなくなる。

・成功にあぐらをかいて自信満々でいることの方が、よほど不安だ。

・どんな時代も、人の心の琴線に触れることなくして、ビジネスの成功はあり得ないのだ。

・考えて行動するのではなく、考えるために行動する。

・人生は生から考えるか、死から逆引きで考えるかによって、大きく変わる。

・スローガンを具体的な行動目標に落とし込まない限り、それはただの掛け声だけに終わってしまう。

・人間は、自分を正当化したがる動物。言い訳は、失敗の傷口を広げる役にしか立たないのだ。

・直感は、数値化してこそ、その真価を発揮する。

・玄人素人を分けるのは、その職業のフレームワークが頭に入っているかどうか。

・リスクを取ることがチャンスに繋がるのは、リスクのある場所には、競争者が少ないという大きなメリットがあるからだ。

・仕事の中身の大半は、executionであり、operationなのだ。

・自分と価値観の違う人間の意見こそ、大切にしよう。そして、それを態度で示そう。

・協調するだけでは、緊張感が失われる。競争だけでは、チームワークが乱される。英語には、competitorとcooperatorを混ぜたコンプレーターという言葉があるらしい。

・いいビジネスマンの特徴・・・「基本は、フットワークを軽く」

・仕事の本質は、自分で問題を発見すること

・リーダーとは指揮官であり、教育者であり、戦略家である。能力を伝える仕組みを構築する必要がある。

・成長の努力を続けた人間と、それをしなかった人間の差は、残酷なくらいはっきりしている。自己の成長を知ることに優る、人生の喜びはない。

・不可能に向かって突っ走ったときに、人は本当の力を発揮する。

・成長が減速するのは、成長が次の段階を迎えたことを意味している。

・経営すると言うことは、基本的に「お金にごちゃごちゃいう」こと。

・自分たちの行動規範を、定期的に確認する象徴的な儀式を設ける

・組織にストレスをかけるのは、リーダーの役割だ。

・スピードには、Velocity(速度)とAgility(俊敏さ)がある。

・目標というものは、現在の自分には達成できない高さに置くべきだ。

・世界は主観で成り立っている。そのそれぞれの主観に、それぞれの正当性がある。

・最近のビジネスを見ていると、森ばかりみて、気を見ない人が意外に多い。

・水平競合と、垂直競合を考える。

・0.5%の努力の差が、クオリティを左右する。三木谷曲線。

・時間軸の感覚をもつ。基本的には先行者に利益があるが、果実が熟す前に収穫することはできない。

・ライバルと同じことをしても勝てない。独自色を出そうなどと言って、オリジナリティのことばかり考える。だから勝てないのだ。
相手との差を埋めて、はじめて自分たちのオリジナリティを生かせるのだ。

・戦略の重要性があまりにも強調されすぎている。興味があるのは、戦略よりも、それをいかにして実行したかだ。

・虎は皮を残し、人は名を残すというけれど、僕はそんなことに興味は無い。僕は仕組みを残したい。継続的に価値を発揮する仕組みだ。

・テクノロジーがどんなに進歩しても、人間そのものは変わらない。インターネットが人と人とをつなぐコミュニケーションツールであるという基本は、絶対に動かない。

・欧米のメディアは、日本と異なり、エディトリアルが中心だ。

・インターネット時代になればなるほど、自分が直接体験することの価値は大きくなる。

・欧米の人たちは外国で起きていることを、日本人が国内の他の地方で起きていることに感じるのと同じくらいの切実さをもって感じている。

・日本人はいまだに、世界 ”進出” という言葉を使う。

・「雲は何故空に浮かんでいるのか。普通の大人はそのことを不思議に思わない。けれど自分は精神の発達が遅かったから、かなり成長してからそのことを不思議に思った。だから自分は科学者になった。」←アインシュタインの引用。雲が空に浮かぶ理由があるように、世界一には世界一の理由が必ずある。雲が何故空に浮かんでいるか。その不思議さを、いつも忘れてはいけない。

・そう遠くない将来、お金は完全にネット上に乗せられてしまうだろう。貨幣や紙幣が発行されなくなるのは遠い未来かもしれないけど、実質的にほとんどとれと同じ状況になるのは時間の問題だ。

・グローバル化することで、ローカルを強化する。日本の金融機関が弱く、世界の金融機関が強いのは、世界を見ているかどうかの違いだ。

・文明は変わっても、人間の中身は何も変わっていない。歴史は人間の数限りない試行錯誤の保管所のようなもの。結局のところ、最終的に成功するのは謙虚に学べる人なのだ。

・「なぜ、海外進出しようと考えたのですか?」それが、日本人の考え方だ。
「どうして、今まで海外にでなかったんですか?」それが、世界の考え方なのだ。

・First Mover Advantageという言葉がある。後発は不利だ。簡単には勝てない。みんなそういう。

簡単に勝とうとするから、勝てないだけのことだ。大きな戦略を描いて、時間をかければ大概のものは逆転できるのだ。

First Mover になれなかったら、Best Mover を目指せばいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス本
感想投稿日 : 2009年10月6日
読了日 : 2009年10月6日
本棚登録日 : 2009年10月6日

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