これが有川浩のデビュー作。
結果的に、「海の底」→「空の中」→「塩の街」とデビューからの自衛隊三部作を逆から読む形になりましたが、
どういう順番で読んでも面白いものは面白い
という当たり前の事実を改めて噛み締めている秋の夜長です。
ある日突然、大量の塩の結晶が地球に飛来して人々が塩化し、世界が死滅していく、というぶっ飛んだ設定。
そんな救いのない世界で、元自衛官と女子高生の恋愛ドラマが繰り広げられるのですが、やはりこの作者は人間描写がハンパなくうまい。
だから、一見荒唐無稽な設定でもなんの違和感もなく受け入れられる。
そして、このツンデレ(と言ったら語弊があるかもしれませんが)自衛官がまた魅力的。
世界を救うなんてご大層なお題目のために命を賭けられる者などいない。世界を救ったとしたら彼女のためだけに救ったのだ。彼女がその世界にいるから。その世界に彼女が生きているから。
本編に加え、世界が変わる前と後、スピンアウトストーリーなどおまけも充実。
本当に贅沢な作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2014年10月25日
- 読了日 : 2014年10月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月12日
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