・数式は用いつつも基本的に文章で話を進めてくれるため、他の数学参考書にありがちな演習に傾倒してしまうということがなく、また一冊の書物としても十分に楽しめる
・厳密な証明は最低限に抑えているため、極度の煩わしさに悩むことはなく、かつ納得できる範囲まで解説してくれている
・「で結局線形代数って何なの?」という疑問に図形的な側面から教授してくれるため飽きるということがない
・とにかく全編にわたって著者の意気込みが感じられる
固有値の応用など、明らかに理系の知識がないと理解できない部分もごく一部あるが、基本的には文系にすごく優しい本。線形代数の無機質さに脅え、トラウマにもなってしまった人にこそお勧めしたい(僕がそう)。線形代数にとっかかるのにこれ以上の本を僕は寡聞にして知らない。出会えて良かった。
(2006年10月05日)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2010年8月2日
- 読了日 : 2010年8月2日
- 本棚登録日 : 2010年8月2日
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