自信をもてない人のための心理学

  • 紀伊國屋書店 (2014年8月28日発売)
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いつも不安で、お腹に重い塊があるよう。先のことを考えると、悪いほうにばかり考え、うまくいかないじゃないかと悲観的な気持ちになることがある。そして人から馬鹿だと思われているのではないかと怯えてしまう。こういった考えの最大の問題は<自信の欠如>。自信について読み解いていく、具体的なアクションもわかる本。
鍵は自己評価を高め、失敗を受け入れながら行動をし、自己主張をする、それを繰り返しポジティブなサイクルを作ること。
幼少期の親からの愛情の受け方が大きく影響しているため、子供に自信を持たせる親の役割が明記されている。自分の中で新たな発見だったのは、自分が自信がなかなか持てないのは、子供の時に<条件付きでない>自信をもってこなかったからかなと思った。褒められた覚えはたくさんあるが、それは成果だったり努力に対してであって「無条件」というのは難しい気もしたが、その重要性も感じた。
無条件に自分は価値があると思う重要性を再認識した。行動をしない場合のデメリットはきちんと考えたうえで行動しないことを選択しないと、私の場合先延ばしにするだけして、あとで後悔する場合がとても多いと思う。行動して失敗するより、行動しないはとてもまずい。
あとは自分と向き合うこと、自分の好きな部分を認識してあげて、行動を起こせないときはなぜなのかを分析し、自己主張できないときは何が原因なのか整理してあげる。その繰り返しの重要性、ポジティブなサイクルに少しずつ変えていくことの意味が書かれている。

【引用中心のサマリー】
【自信のメカニズム】ピラミッドのイメージで自信の三要素は互いに関係している。
①自己評価を高めること
②行動すること
③自己主張ができるようになること
=自分を好きになること
*自己主張(自分の要望を伝えて)を聞いてもらったとき相手から、認められている、愛されていると思う。よって、素直に思っていることをいうことが大切。
*人には失敗する権利がある。人間としての価値を否定された場合は、そのまま受け入れない。<行為>の批判と<人>の批判は異なる。

【ネガティブな感情】
#1悲しみ #2不安 #3罪悪感 #4 羞恥心 #5疎外感

【自信とは】
#1 何について自分を信じるか
・自分が他の人と同じように、かけがえのない人間であること
・自分にはそれなりに能力があること、あるいは努力次第で能力がつくはずだということ
・自分は他の人から愛され、必要とされているということ。ひとりの人間として認められ、尊重されているということ
#2 誰に対して自分を信じるのか?
・自分に対して
・他の人に対して
#3 自分を信じてどうするか
・自分を信じて行動する
・自分を信じて主張する

【子供に自信を持たせる親の役割】
①子供に<条件付きでない>自信を持たせる 親が無条件に愛すれば、子供は、行動やその結果に左右されない<条件付きでない自信>を持つことができる。
ミスや失敗を許す、どんなに失敗しようと愛していることを伝える、ありのままを認めていることを伝える。行動や行動の結果を非難しない。
②子供に価値基準を示す 首尾一貫の態度をとり、言動を一致させる。
③子供をコーチする そばでサポート、努力したことを褒めてあげる。
④子供に教える⑤子供を自立させる

【自分に自信が持てなくさせる7つの思い込み】
①私には能力がない
#1 自分の能力を不定的な目で見るのは辞めよう。
#2 「自分にもできる」ということを実感するために、行動を起こしましょう。#3 もっと主張しよう
②いつでも人から愛され、認められなければいけない
他人からの評価も重要だが、まず、どんな状況でもなんの条件もつけずに、自分で「自には価値がある」と思えるようにしましょう。
③私はダメな人間だ。
④何事も完璧にやらなければならない
⑤いつも正しい決断を下さなければならない→失敗してもやり直せばいいと思う。
⑥世の中は危険に満ちている
⑦人を信頼してはいけない

【自信を持つためのトレーニング】
①自己評価を高める
<自己評価>
・自分をかけがえのない人間だと思うこと
・自分にはそれなりの能力があり、あるいは努力次第で能力を見つけることができること
・人から愛され、認められ、必要とされていると思うこと
<トレーニング>
①自分を知るーある状況に置かれたときに、どんなことを考えて、どんな反応を示すか、記録をとって、自分について知ること。
⑤自分を自分の親友だと思う 自分を励ませる。
⑧ポジティブな考えを受け入れる。認知再構成法を使うとネガティブな考えをポジティブに変えることができる。
⑨じぶんを否定する思考パターンを知る。
#1 悪いことが怒ったら、一般化する
#2 All or Nothingの考え方をする
#3 自分勝手な推論をする
#4 自分の悪い面を過大評価し、良い面を過小評価する
#5 人の言葉を自分のコンプレックスと結びつけて考える
#6 一つの事柄から全体についての結論を導く

②行動をする
しないよりは行動をする。失敗を生かして成功に結びつけることができる。
<トレーニング>
①自分の強みを知る 長所・得意分野・うまくいっていることを自覚する
②周りの人にあなたのよいところを聞いてみる。
⑤目標は身近なところに設定する。
⑥失敗とうまく付き合う
⑧行動を先延ばしにしない
#1 <行動>すべきことをリストアップして、やれるものはやっていく
#2 やれなかった<行動>のメリットとデメリットを書き出す
#3 時間を区切って少しずつ前に進む(まず15分やってみる、15分だったらもう15分やってみる等)
#4 <行動>の前と後でその<行動>の大きさと満足度を比べてみる。(行動前の大変さ・満足度+行動後の大変さ・満足度)
⑨不安に少しずつ慣れていく 不安の小さなものから初めて、少しずつ慣らしていく。
⑩少し立ち止まって感覚をリフレッシュさせる。自然を感じよう。
③自己主張をする
#1 それをしなかったときに起こる良くない状況を想像する。
#2 それをするのを邪魔するネガティブな考えを追い払う
#3 リストを作って、できそうなものから並べてみる。
#4 リストの中の出来そうなものから、実際にやってみる。
<トレーニング>
①自分の希望や要求を伝える
⑤アピールをする=ありのままを伝える、じゃないと向こうも何を好きになって嫌いになったらいいかわからない。自分を認めてもらうと認識するためのファーストステップ。

【思い込みから自由になるトレーニング】
①まず思い込みに気づく
②自分の思い込みを疑う=相対化して考える
#1 ダメな人間とはどういう人ですか?定義する。あなたはこの定義にあてあまるか?
#2 あなたは本当にダメな人間ですか?ダメな人間であるという根拠、だめでない根拠をあげてみる。特にダメな人間ではない根拠を絶対にあるので挙げる。
#3 あなたは自分についてどう思っていますか?性格、能力、外見などを細かく分けて9段階で評価する。
③思い込みのメリット、デメリットを考える
④とことん悪い方向に考えてみる(最悪の出来事が起こる確率が低いことに気づく、最悪の事態がそこまで悪くないことにも気づくこともある)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月11日
読了日 : 2021年1月11日
本棚登録日 : 2020年12月21日

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