この本は,科学者が考えなければならない,科学者(研究者)としての倫理や価値観について書かれています。内容は,歴史的な変化のなかで,科学者がどのようにして共同体を形成して,そのなかでどのような倫理や価値観が作られてきたのか等が述べられています。
私は,ソーシャルワーカーというアイデンティティを持ちながら,大学の教員であるわけです。以前より,ソーシャルワーカーの倫理や価値についてはその重要性を実感しているところですが,科学者(研究者)としても同様に考えていく必要があります。
ソーシャルワーカーは科学者(研究者)というより,実践者としての側面が強いと思いますが,科学的な方法によってソーシャルワークを捉えていく必要があると思います。そんなふうに思って読んでいると,科学者と技術者(ソーシャルワークでいうと実践者に近いと思います)の違いや関係について述べられていたり,科学と神との関係が書かれており,非常に興味深く読めました。
ソーシャルワーカーという専門職はキリスト教文化の影響のもとに生成,発展してきていますが,そのあたりのことにつながることですので,きちんと理解しておきたいと思いました。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
研究方法
- 感想投稿日 : 2007年1月22日
- 本棚登録日 : 2007年1月22日
みんなの感想をみる