人も犬も消えた奇妙な街で、たった一人残された少女ミヤコと「オンノジ」が繰り広げる、奇妙でユニークで切ない愛の物語。というと語弊があるようで、間違っていないはず。
読み終わったあと、私を取り巻いている世界が、私の側にいてくれる人が愛おしくなる。
いや、世界は私を取り巻いているのではなくて、世界の中に私がいるのではなくて、私の中に世界があるのだと気づく。心のかたちが世界のかたちで、その心のかたちは、寄り添ってくれる人によって変わっていく。ミヤコにとってのオンノジみたいに。
楽しくなったり、不安になったり、嬉しくなったり、恥ずかしくなったり、悲しくなったり、どうしようもなく愛しくなったり。そこがどんな場所であったとしても。
そんな存在がいてくれることは、きっと他のなによりも、御の字に違いない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2013年8月9日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年8月8日
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