天国はまだ遠く (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年10月30日発売)
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このタイトルが目に留まった私には、心が和む一冊でした。冒頭からの怪しい雲行き、なのにそう感じさせないやさしい文体の空気。
絶望の淵に立たされた千鶴は、山奥の村へ来て最期を迎えようとする。土地で出会った、民宿の田村さん、村の人々との触れ合い、のどかな自然に囲まれた静かな生活。千鶴は20日余りの体験で癒され、自分らしく生きる基本を掴んでゆく。千鶴、本当はとても芯のある強い人だ、ラストにそう読み取れてよかった。
打ちのめされどうにも立ち上がれないときは、他所の空気を吸う、何気ない景色を見、時に現実逃避も良し。美味しい食べ物でお腹を満たし、誰かと些細な会話の交流も良し。心と体を癒し、エネルギーを蓄えることが大切。わかっているのだけど中々思うように出来ないですが・・。無理のない程度に胸に刻みます。
居場所を変えても良し、本来の場所で覚悟を決めても良し。最終的に自分の居場所を決めるのは自分自身である。どんなことがあっても命を粗末にしてはいけない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月6日
読了日 : 2022年8月6日
本棚登録日 : 2022年8月6日

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