マオとハチの出会いから別れまでのお話。
マオの実家は新興宗教をしている。ハチは両親に捨てられインド人に育てられ、二人とも特殊な環境に育つ。登場人物も個性強い人が出てきて、スピチュアルの要素も多い。
この世界観に馴染むには少し時間がかかったが、入り込むと心地よさに眠くなってくる。
ストーリーはシンプル。これは若さゆえのまばゆさとか、誰かを愛するという、自分では気恥ずかしくて表現できない言葉の感性がいっぱい詰まっていた。
別れが決っているという、区切られた期間のなかのハチとマオの密度の濃さ。ふと思えば、誰かとの出会いがあれ永遠ではない。必ず、どんな形であれ別れはくる。
私も思い返してみた。間違いなく生涯のなかで一番幸福な日はいつだったろうかって。
「なんでこんなにすばらしいことをみんな、毎日しているのに、みんな、特別にしあわせそうじゃないの?」
読書あるあるというのか、前(の本)と同じような繋がりを感じる本を読むことがよくあります。
あらゆる大切な人との別れ。
「私はハチを忘れないが、忘れるだろう。そう思う」
魂は心に宿る、忘れて、そして人はまた前を向いていく。すらーっと読めてじわっときた。ラストは明るく希望がみえた。若いっていい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月9日
- 読了日 : 2022年1月9日
- 本棚登録日 : 2022年1月9日
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