TVピープル (文春文庫 む 5-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (1993年5月10日発売)
3.32
  • (146)
  • (393)
  • (1025)
  • (104)
  • (23)
本棚登録 : 4737
感想 : 377
4

むらかみさん二つ目。息子の本棚から読みやすそうなこれを選ぶ。
TVピープル、わけがわからなかった。きっと電気屋さんが三人係りでテレビを納品に来たのだろう、ぐらいに思ったのだが違ったようだ。難解そのもの。後であれこれ考える。

我らの時代のフォークロアは強烈だった。ミスタークリーンが過去を回想する。確固たる意志で拒み続ける彼女。愛し合っているのに結ばれないふたり。消化不良だ。気鬱な気分だ。
加納クレタは、ますますわからなくなるが、奇想天外で面白い。ゾンビも。

一番は「眠り」だ。主人公の女性は、ずっと眠れていないそうだ。だけど周りは気づかない。つらつらと綴れた心境がわかることも多くて、自分に似てるところもあって。
一見、平穏ななんの不自由もない生活に身を委ねる女性だが・・最後のほうに太字でこう綴っている。
「何かが間違っている」と。
読み手によって、取り方は違ってくると思う。女性がノイローゼなのは間違いないと思った。ちょっと頭が痛くなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月14日
読了日 : 2020年7月12日
本棚登録日 : 2020年7月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする