この本を上司に薦められて手にしたのは20代のとき、当時は筆者の文章の滋味がわからなかった。
当時の上司とほぼ同じ齢になったいま読むと沁みるなぁ。
梅雨の雨を浴びて、周囲の木の緑がだんだん濃くなっていく。
◆
人にそれぞれの履歴書があるように、木にもそれがある。木はめいめい、そのからだにしるして、履歴をみせている。年齢はいくつか。順調に、うれいなく今日まできたのか。それとも苦労をしのいできたのか。幸福なら、幸福であり得たわけがある筈だし、苦労があったのなら、何歳のとき、何度の、どんな種類の障害に逢ったのか、そういうことはみな木自身のからだに書かれているし、また、その木の周辺の事物が裏書きをしている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宇宙・地球・環境・生命科学
- 感想投稿日 : 2012年6月16日
- 読了日 : 2012年6月16日
- 本棚登録日 : 2012年6月16日
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