蘇我氏四代の冤罪を晴らす (学研新書 40)

著者 :
  • 学研プラス (2008年11月28日発売)
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感想 : 9
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導入本としての役割りで見たなら評価できると思います。
確かに私が中学生だった頃の歴史の時間に習った「蘇我氏」は、
どちらかといえば権力を我が物にするがため、皇位継承を操作し、気に入らない大王までも殺害し、
という専横ぶりで習っていたような気がします。
結局「日本書紀」の解釈の影響なんですけどね。
著者も蘇我氏の地位回復をその日本書紀から導き出していますが、
書紀自体にそもそも信憑性の低い内容も多いわけで、推論の域を出ないような読後感。

しかし、非常に読みやすかったです。
蘇我氏が葛城氏の血筋にあたる豪族だった、という可能性のお話とか、
仏教信仰が、実は大王から委託されたスタイルだった、という内容とか、
聖徳太子も凡人だった話とか、
乙巳の変の首謀者が軽皇子(孝徳天皇)だったのでは?という話とか。

本当の意味での答えが分かる日なんて、きっと新しい歴史的資料が発見されない限りは、
不可能なのでしょうが、そもそもそういった一級品の資料が発見されること事態が不可能?
宮内庁管轄の未盗掘墳墓を発掘するしかないんじゃないかな、って思う。

645年の「大化の改新」は習ったけど、「乙巳の変」という言葉は教わっていない。
★★☆☆

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2011年5月26日
読了日 : 2011年4月4日
本棚登録日 : 2011年4月4日

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