猿丸幻視行 (講談社文庫 い 31-1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 33

折口信夫は、柳田国男よりももっと学者らしい孤高のイメージが強く、作家としても、死者の書という難かしい本を書いた作家という事で、一般には敬遠されているようだが、このイメージを吹き飛ばすのがこの本である。この作品で、折口信夫を金田一耕助なみの探偵にしたてあげた。
 井沢元彦氏は、この本を書くにあたってこう言っている。
『謎とは「猿丸太夫の正体」、解明するのは折口信夫ーそう、彼しかいません。この謎を解明するには、国文学・民族学・歴史学・神道など諸学に通じ和歌、漢詩、謡などの素養があり、そのうえ推理力に富む、知的好奇心旺盛な人物でなくてはならない。それが折口信夫なのです。』
 この本は物語であり虚構であるのだが、主人公折口信夫があまりにも生き生きと描かれていて、本物のように思われるから不思議だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本ー文学
感想投稿日 : 2012年6月25日
読了日 : 2012年6月25日
本棚登録日 : 2012年6月25日

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