折口信夫は、柳田国男よりももっと学者らしい孤高のイメージが強く、作家としても、死者の書という難かしい本を書いた作家という事で、一般には敬遠されているようだが、このイメージを吹き飛ばすのがこの本である。この作品で、折口信夫を金田一耕助なみの探偵にしたてあげた。
井沢元彦氏は、この本を書くにあたってこう言っている。
『謎とは「猿丸太夫の正体」、解明するのは折口信夫ーそう、彼しかいません。この謎を解明するには、国文学・民族学・歴史学・神道など諸学に通じ和歌、漢詩、謡などの素養があり、そのうえ推理力に富む、知的好奇心旺盛な人物でなくてはならない。それが折口信夫なのです。』
この本は物語であり虚構であるのだが、主人公折口信夫があまりにも生き生きと描かれていて、本物のように思われるから不思議だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本ー文学
- 感想投稿日 : 2012年6月25日
- 読了日 : 2012年6月25日
- 本棚登録日 : 2012年6月25日
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