日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
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『国家の品格』の著者で数学者の藤原正彦の対談本。
九人の対話相手は

・齋藤孝(教育学者、明治大学教授)
・中西輝政(国際政治学者、京都大学教授)
・曽野綾子(作家)
・山田太一(脚本家、作家)
・佐藤優(元外交官、作家)
・五木寛之(作家)
・ビートたけし(映画監督、タレント)
・佐藤愛子(作家)
・阿川弘之(作家)

日本の現代の教育を中心に、藤原正彦の持論が、対談者との会話の中にしっかりと力を持って、かつユーモアあふれる形で展開されている。

「読み書きそろばん」の重要性、そして国史や非論理的な価値観、また日本人として美意識を再確認させられる良書。
今の日本教育が、どこかアメリカ的グローバリズムにそまり、毒され、小学校からの英語教育やパソコン使用、はたまた株取引まで広がっているそうだ。
対し、藤原正彦はそういった教育体制には批判的で、「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数。あとは十以下」であると述べている。

『私に言わせれば、朝起きてから眠るまで、一ページも本を読まないという人は、もう人間ではない。ケダモノである。』

だそうだ(笑)。

直球勝負の教育論と、時に(しばしば?)ユーモアあふれるお話で、非常に楽しめる本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年3月15日
読了日 : 2012年3月15日
本棚登録日 : 2012年3月15日

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