ロシアの文豪との格闘で疲れ切った脳みそをリセットしようと思って、軽く手に取った本書。文庫本として分量も手軽だし、はずれのない有川浩の恋愛ものなら、間違いないだろうと思って読み始めました。
なになに、出会ったことの無い若い男女が、好きな小説についてネットで盛り上がったって話か・・・いいねえ。
で結局、最後まで会わずに、最後の最後で出会って幸せになるって話かなと思ってたら、あれ、第二章でいきなり会っちゃうじゃないのこの二人。
想像と違うなと読み進めると・・・。
え、そっち系のテーマなの!重い!全然、軽くない!
脳みそを休める為に軽い気持ちで手に取った本だったけど、全然休まらない(笑)。
本書のテーマを十分に知っている人から見たら、僕のこの本の選び方は笑止千万だろうけどね。
結論的には、ものすごく楽しめた一冊でした。
有川浩は「図書館戦争シリーズ」と「旅猫レポート」しか読んだこと無いけど、本書は図書館戦争シリーズでも出てきてるんですね。完全に忘れてました。
図書館戦争シリーズを読んでいる時は、有川浩先生が女性とは知らず(当然、名前の読み方も『ひろし』だと思ってましたw)、「男のくせに、『白馬の王子様』の描き方上手いなあ!」と感動しながら読んでました。
本書も、大きく言えば『白馬の王子様』系のお話ですね。
「私みたいな超面倒くさい女の子を好きになってくれる彼」
もう、この一文で、もう多くの女子はメロメロなんじゃないでしょうか。
実際、女子にとってはこの主人公の向坂伸行は理想の男性なんだろうな。
完璧とはほど遠いけど、自分に一途になってくれ、自分のありのままを受け止めてくれる。そして、受け入れるだけじゃなく、建設的な意見も言ってくれる。
伸行は美容院の実家で育っているので、女性が髪型や化粧、服装で全く変わってしまうことを子供のころから知っており、女性の外見にはあまり執着していない。
そして彼の放つ必殺のセリフ
「俺が好きなのは、君の頭の中身だから」
こんなこと言われたら、男の僕でも「お前!!本当に格好いいよ!!!!」って、泣きながら抱きしめて、彼の背中を両手でバンバン思いっきり叩きますよ(笑)。
という訳で、頭のなか完全にリセットできたので、ロシアの文豪やっつけてきますね。
ありがとうございました。
- 感想投稿日 : 2019年6月10日
- 読了日 : 2019年6月8日
- 本棚登録日 : 2019年6月10日
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