中島敦「山月記伝説」の真実 (文春新書 720)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年10月20日発売)
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感想 : 25
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隴西の李徴とは私のことである。
と感想文を書き始めたいが、戒めをこめて。

山月記好きって言うのが許されるのは高校生までだ。
高二病の症状の一つだ。
青臭いのが大好物な十代の恥ずかしい若気の至りだ。
説教じみたお話に感化されて、尊大な羞恥心に苛まれている人は、
校舎の窓ガラスを割って回って、盗んだバイクで走り出してしまう人と何ら変わらない。

こんなのに心動かされているうちはまだまだ虎にはならない。
虎になるほど執着したのかと、思うわけです。

ちなみに、虎を浮浪者に読み替えると共感しやすい。
現実はドラマチックじゃないのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記
感想投稿日 : 2012年3月7日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年3月6日

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