大学について知りたくて読書。
本書を読むとしまむらへクレームつけてスタッフに土下座させた写真を公開して逮捕された女性クレーマーや大手FC店のアルバイトたちが不衛生で不適切な写真を公開して問題なったなどのニュースを思い出す。
本書の趣旨はともかく、日本の教育問題の根幹は大学であることは同感。職業として教育に携わったことがある多くの人の共通認識だと思う。教育は上が変わらないと下は変化しない。
大学側の都合で作られたようなAO入試は不要だし、推薦入試自体さえも不要だと思う。さらに私立の付属校からの大学への進学ももっと厳しくするべき。同じ私立大学卒業であっても学力、経験格差が広がっている。
本書で取り上げる統計の根拠はともかくとして、大学貧乏は非常に問題だ。大学のランクに比例して親の所得が上がることやシングルマザー家庭だと大学進学は現実的に難しいことも知ることができる。
オンライン大学の拡充や早く社会へ出すは賛成。一流大学と呼ばれる大学ほどオンライン化を進めると効果がありそうだ。
学歴による弊害は日本では以前と比べると小さくなってきてきており、大卒だろうと専門卒だろうと高卒だろうとそれほど影響はなくなりつつあるかもしれない。しかし、海外で就労ビザ取得条件に学歴を設ける国もあり、就業機会を狭める現実もある。たとえば、シンガポール、香港は、ほぼ大卒以外では就労ビザは許可されない。中国も原則大卒以外は就労ビザは許可されず、近年は原則に基づくように強化されている。
この学歴の大卒規定の興味深い点は、東大、早稲田卒でも地方の3流大学卒でも同じ扱いという点。将来を機会を失わないためにも、どんな大学でもいいので、資格として大卒資格は持っておいた方がいいとも言える。こうなるともはや身分証明書代わりの運転免許証に近いのかもしれない。
読書時間:約1時間35分
- 感想投稿日 : 2013年10月14日
- 読了日 : 2013年10月11日
- 本棚登録日 : 2013年10月14日
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