魔法使いのハーブティー (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年3月23日発売)
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本棚登録 : 1627
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久々に本を読むかと重い手に取ったのが本書。通勤時間に読む用にカバンの中に入れていたものの、一週間持ち歩きっぱなしだった。
冒頭の不穏な空気に読み進める気力が必要かもしれないが、読み始めると先生である伯父さんのふにゃっとした雰囲気とハーブ園の夏の避暑地のような雰囲気、カフェを取り巻くちょっぴり個性的な常連達に、ページがどんどん進むようになる。未婚の母が亡くなり親戚をたらい回しにされ、夏休み中の衣食住の心配と、高校への進学費用のあてもない少女が主人公という点で読む気力を要する。居場所が見つかって良かったねというラストで終わるが、既婚者と不倫し子供を産んだあげく、その子が安心して暮らせる居場所を残さず逝った母、妻がいるにもかかわらず15歳の少女に手を出した既婚者、子供が15歳になるまで手を出さないという約束を律儀に守ったあげく親戚をたらい回しにすることになった状況が重い。どんなに愛があったって、大人の無責任さが勇希に寂しい思いと年相応でない大人らしさを身につけさせた。マイナスがやっとゼロになった程度で感動はできない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他(日本の小説)
感想投稿日 : 2017年3月22日
読了日 : 2017年3月9日
本棚登録日 : 2017年3月9日

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