「書を捨てよ、町へ出よう」(1971) の映画作品を観て度肝を抜かれたのもはや数年前。その書籍版も読んだはず…だったがその後彼の残した活字を追う作業は進まぬまま、そんななか随分と間を開けて本書が手の中に。
どうして今かの理由は読後にははっきりしなかった。内容も10代に向けて書かれているわけで、ある意味の家出、いうなれば「国出」まで決行してしまった自分としては時期相当遅とででも呼ぶべきか、多くの言葉が今となってはもう響かない。それもそのはず、書いている寺山自身も当時20代の後半だったとのこと。いろんな意味でタイミングに難ありな…。
しかーし。その数週間後にタネ明かしが。居酒屋のカウンターで常連のお客さんに話しかけられる。
「どう?今度の寺山は行くの?」
その人は自分が映画好きであることを十分承知で話しかけてくれたのだが当の自分は「?」状態。仕事が忙しいという言い訳でもってアンテナが錆びつきかけていたところ、他の方の助けを受けてかろうじて引っかかった。国立フィルムセンターが最近修復が完了したばっかりのNew Printを多数引っさげ、まずNew Yorkからという感じで凱旋してきてくれたのだ。
つまりはタイミングは抜群だったということ。
巻末には彼の年譜がついていた。今一度読み返して残りの上映に臨むとしよう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年5月16日
- 読了日 : 2017年11月24日
- 本棚登録日 : 2017年11月24日
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