世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。
伊坂さんがあとがきで「ファシズムや憲法、国民投票などが出てきますが、それらはテーマではなく、そういったことに関する特定のメッセージも含んでいません。」と書いている。
ならば、この作品のテーマなんだろう?
「とにかく時代は変りつつある」『時代は変る』ボブ・ディラン
「時代は少しも変わらないと思う。一種の、あほらしい感じである」『苦悩の年鑑』太宰治
巻頭にあったこのふたつの文がとても心に残った。
これがこの小説のテーマのひとつかもしれない。
この先時代は変わるのか、変わらないのか…
この作品から感じた不穏な流れ、世の中の怖さ、その雰囲気は嫌いじゃなかった。
流されるな、「考えろ」とずっと投げかけてくれた。大事な事だと思う。
「政治家が賢いのと馬鹿なのでは、どっちが怖いんだろう」
この質問は凄い。考えろ、考えろ!
ただ、お兄さんのしたかった事、潤也くんがしようとしている事、犬養という人、そして、帯に書かれている「魔王とは何者なのか?」、どれもはっきりしなかったなぁ。
モヤッとした終わり…
何より、ファシズムとは何か、ファシズムの何がいけないのか、統一とは悪い事なのかがメインなので私にはちょっとハマれなかった。
この作品に私の大好きなあの人が!何を調査しにきたの?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年5月1日
- 読了日 : 2018年4月30日
- 本棚登録日 : 2018年4月30日
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