大人になるってどういうこと?
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欲しいものを手に入れるには何か大切なものを捨てる必要がある。大切な人、お気に入りのもの、価値観や記憶、夢。大事なもの好きなものを全部持ち続けることは出来ない。それができるのが大人。
逆に、自分自身が犠牲になるということも必要ということが今作からは読み取れました。
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『好きだろうが嫌いだろうがそんなことは物事の本質とは、何も関係がない。一瞬の幻に過ぎない。どちらでも良いのだ。』
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『若者は好きを求めるのと同じ位のエネルギーを使って嫌いなものを一生懸命探す』
思わず共感してしまいました。嫌い・ダメな理由の方が饒舌に語れる、語ることで自分の意見が言えてると思ってしまっているなと。
好き嫌いフィルタを通すことで、見えなくなってしまっているものがあるんじゃないか…穴のない仮面をつけたま歩いている自分を客観視できたように思えます。
杜萌と萌絵のチェスの局面。大人に近づいている杜萌が白、真っ直ぐ純粋まだ子供要素が強めの萌絵が黒。2人の人間性を鑑みると色は逆じゃないか?とも思いましたが、この設定にはどういう意味があるのだろう…。
チェスのシーンにもいろいろ意味が込められて作られてると思いますが、駒名もルールも、私の頭にはインストールされてないので、読み溶けていません。将棋ならなんとか妄想できたはず泣
前作『幻惑の死と使途』と同時期に起こった事件という設定で、前作は奇数章のみ、今作は偶数章のみで構成。中盤から萌絵の、両作間を往来している感じが、作品の形として新しくて楽しめました。
- 感想投稿日 : 2023年5月12日
- 読了日 : 2023年5月12日
- 本棚登録日 : 2023年5月6日
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