ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2004年8月30日発売)
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感想 : 152
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作者は、ガリア戦記のところで考えを述べているが、私に何を伝えようとしているのか、カエサルについては、このシリーズの一つの中心となるものなので、よく考えてみたい。

〇近現代のローマ字の研究者の中では評価の高い、ジェローム・カルコピーノ著の「カエサル伝」を選んで貨した。
〇人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない。
〇ガイウス・ユリウス・カエサル
〇幼時に母の愛情に恵まれて育てば、人が自然に、自信に裏打ちされたバランス感覚も会得する。そして、過去に捕らわれずに未来に眼を向ける積極性も、知らず知らずのうちに身につけてくる。
〇立派な男までが羨望感ずるのは、カエサルが、女たちの誰一人からも恨まれなかった、という一事ではないか。第一に、愛する女を豪華な贈り物攻めにしたのはカエサルの方である。第二に、カエサルは愛人の存在を誰にも隠さなかった。彼の愛人は公然の秘密だった。第三は、史実によるかぎり、どうやらカエサルは、次々とモノにした女達の誰一人とも、決定的には切らなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2023年9月22日
読了日 : 2023年9月16日
本棚登録日 : 2023年9月16日

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