2004/11/10<BR>帯に短し襷に長しの短篇集だが「愛するものはぜんぶさらいとられる」に限って言えば、かなりにやられた。<BR>絶望的に閉塞された日常なのに、決して閉塞されてるとは愚痴らず、淡々と生きて、突然に死のうと思う。あり得ると思える設定が俺を誘う。高速道路のパーキングの便所の落書きコレクターという、これ又、救いようの無い生きる縁の見出し方がズキズキ刺さる。<BR>そうじゃないか、似たようなもんだぜ。<BR>でも、「曖昧に」改稿したと言う結末からは、俺は紛れもない希望を感じ取った。<BR>いや、感じ取りたかったのかも知れない。<BR>他は「第四解剖室」と「黒いスーツの男」はキング的だが食い足りなく、「ジャック・ハミルトンの死」と「死の部屋にて」はキングの意外な抽斗に少なからず驚いた。
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- 感想投稿日 : 2005年5月3日
- 本棚登録日 : 2005年5月3日
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