反知性主義をテーマに、10名の論客がそれぞれの立場から論じている一冊。とにかくめちゃくちゃ面白かった。
「わからない」「わかりにくい」ことの拒否、「否認」「対立」の拒否、「不確実性」の拒否。反知性主義は時間をかけることを拒否し、手間をかけることを拒否し、意見を戦わせることを拒否する。そして易きに流れることで、人間の知性は徐々に劣化をしていく。
何故そうなったのかといえば、もともと人間はそういう流れに抗えない種族なのかもしれないし、あまりに便利になった現代文明のせいかもしれない。
いずれにせよ、この本が、それらの疑問を考えるためのヒントを与えてくれるはず。特効薬を求めてしまうとやはり反知性主義と同じ穴の狢になってしまう恐れがあるので、あくまで考えるためのヒントとして、この本を手にとってみてはどうだろう。
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- 感想投稿日 : 2020年6月4日
- 読了日 : 2020年6月4日
- 本棚登録日 : 2020年6月4日
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