日本の反知性主義 (犀の教室)

  • 晶文社 (2015年3月20日発売)
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感想 : 62
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反知性主義をテーマに、10名の論客がそれぞれの立場から論じている一冊。とにかくめちゃくちゃ面白かった。
「わからない」「わかりにくい」ことの拒否、「否認」「対立」の拒否、「不確実性」の拒否。反知性主義は時間をかけることを拒否し、手間をかけることを拒否し、意見を戦わせることを拒否する。そして易きに流れることで、人間の知性は徐々に劣化をしていく。
何故そうなったのかといえば、もともと人間はそういう流れに抗えない種族なのかもしれないし、あまりに便利になった現代文明のせいかもしれない。
いずれにせよ、この本が、それらの疑問を考えるためのヒントを与えてくれるはず。特効薬を求めてしまうとやはり反知性主義と同じ穴の狢になってしまう恐れがあるので、あくまで考えるためのヒントとして、この本を手にとってみてはどうだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年6月4日
読了日 : 2020年6月4日
本棚登録日 : 2020年6月4日

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