『水の時計』における人の死(ここでは脳死)、『漆黒の王子』における「上の世界」と「下の世界」(本作では現代と過去)、『1/2の騎士』にあるSF的(ファンタージ的とも)設定を活かし、主人公が魔女狩りの吹き荒れる中世イギリスの魔女探索人に挑む。SF的、ファンタジー的なようでいて、いちおう謎解きミステリの構成をきちんととっているのは流石。最後のひねりも秀逸で満足。惜しむらくは、主人公を支える、一人一人が実に個性的な学芸員たちの掘り下げが、主人公とナナ、時間旅行先の老婦人と少年との間に焦点が当てられているためか、やや足りなく感じられたことか。ただ、この作品は、枇杷の姉の設定もあることから、続編が予想できる点、今後に期待したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2015年2月18日
- 読了日 : 2015年2月18日
- 本棚登録日 : 2014年6月24日
みんなの感想をみる