こころの格差社会: ぬけがけと嫉妬の現代日本人 (角川oneテーマ21 A 51)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年6月1日発売)
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個人的には、このタイトルとサブタイトルにある「ぬけがけと嫉妬の現代日本人」はいまひとつ内容と一致していないと思うのだが、仕事って何?、自己実現って何?という問いに対する考え方を見せてくれるような内容だ。

自分は常に、より良い仕事、責任のある仕事、面白いと思える案件と達成感、そして見返りとしての処遇、周囲からの賞賛、について自分を奮い立たせて来たと思う。時にストレスも抱えたし、自分の時間や家族との時間を犠牲にしてきたこともあった。しかし、運や周囲の協力のおかげもあって、そうした過ごし方を続けられたと思う。

海原さんはこのことを「外的用件」と定義し、それを追い続けることのゆううつさ、満ち足りることの難しさを説いている。

僕もその意見の意味が今は分かる。そして、自分の生き方はこれまで追い求めてきた何かを追い続けることではない、とも思い始めている。

例を挙げると、よりよい何かを求めても、さらに次のよりよい何かを求めてしまって、決して満ち足りることがない。自分は何かをしていないと落ち着かない。そして、その何かとは何らかの形で仕事と結びついている。ストレスのはけ口は、アドレナリンを刺激するような刹那的な趣味や時間であって、暇つぶしや気晴らしの域を出ていない、などなど。

そう書くと、今までの生き方が無意味だったようにも響くが、決してそうでもない。追い求めるというフォーマットが浸透した世の中でさえ、社会的にある一定の経験を積んだからこそ、次のステップに進む準備が出来ていく、とも海原さんは言っている。そうした経験により、その次に必要となるコミュニケーション力や、次のステップの持つ価値観を受け入れることができる、ということだろう。

参考(ボクのブログ):http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20090416

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2010年6月7日
読了日 : 2008年4月16日
本棚登録日 : 2008年4月16日

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