地下鉄道

  • 早川書房 (2017年12月6日発売)
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本棚登録 : 613
感想 : 64
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久々に胸の奥にずしんと来る本を読んだ。
アメリカの奴隷貿易は
人類史上最悪の罪悪だと私は考えているが
その思いが一層確かになった。

自由を求めて逃げ続け
自由を保障されてもなお
いつか必ず鎖につながれて引き戻される恐怖を
当事者以外の誰が理解できるだろうか。

アメリカの黒人差別問題は
私たちには想像できないぐらい根深い。
そんな社会に生きる彼らの力強さに胸が震える。

「アメリカこそがもっともおおきな幻想である。
 ~この国は存在するべきではなかった。~
 なぜならこの国の土台は殺人、強奪、残虐さで
 できているから。
 それでもなお、われらはここにいる」
終盤の章「インディアナ」で
自由黒人のランダーが語る言葉には実に説得力がある。
アメリカという「実験国家」はこれから
どこに向かっていくのだろうか。

リアリティに満ちた上質のフィクション。
すべての人が読むべき本だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 大人の必読書!
感想投稿日 : 2021年12月13日
読了日 : 2021年12月13日
本棚登録日 : 2018年5月12日

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