久々に胸の奥にずしんと来る本を読んだ。
アメリカの奴隷貿易は
人類史上最悪の罪悪だと私は考えているが
その思いが一層確かになった。
自由を求めて逃げ続け
自由を保障されてもなお
いつか必ず鎖につながれて引き戻される恐怖を
当事者以外の誰が理解できるだろうか。
アメリカの黒人差別問題は
私たちには想像できないぐらい根深い。
そんな社会に生きる彼らの力強さに胸が震える。
「アメリカこそがもっともおおきな幻想である。
~この国は存在するべきではなかった。~
なぜならこの国の土台は殺人、強奪、残虐さで
できているから。
それでもなお、われらはここにいる」
終盤の章「インディアナ」で
自由黒人のランダーが語る言葉には実に説得力がある。
アメリカという「実験国家」はこれから
どこに向かっていくのだろうか。
リアリティに満ちた上質のフィクション。
すべての人が読むべき本だと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
大人の必読書!
- 感想投稿日 : 2021年12月13日
- 読了日 : 2021年12月13日
- 本棚登録日 : 2018年5月12日
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