水の都 黄金の国

著者 :
  • 講談社 (2016年7月26日発売)
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本棚登録 : 166
感想 : 23
4

読み飛ばしてしまったのか、2話まで時代がよくわかんなかった。現代かな? 近代かな?って。現代でもそういう表現することあるから。
2話で近代かとわかったのはいいのだけれど、清人を「清の人」としばしば読んでしまい、そうよね極東だもんね、ヴェネツィアの人にはごっちゃになるかもね、なんて解釈してとんだ斜め上の読み方をしておりました。なにやってんだろ。

セリフでは人々は生きているんだけれど、地の文が音のしない無機質で突き放した冷静さを常に保ち、独特の雰囲気を作り上げているのは作家さんの多分特徴で、

読んでる方も常に客観的に誰かに入れこむことなく、世界の上からながめることができて。

それはまた、感情の自由度を高めることにもつながって。

作者に押し付けられることのない、自分自身の感じる意思を持つことができて。

で、まあ、淡々と終わっちゃうのかなあ。1冊が続編のための伏線とかだったら少々アレかなあ……と油断させておいて

僕はね、エピローグでやられましたよ。ああもう!
(´;ω;`)ブワッってこのためにあるんだってもんですよ。ちょっとクヤシイ。

おかげでそっとページを閉じることができたんで嬉しいんですけれど、ああやっぱり1冊通してちゃんとお話になってたんだなあってそういうのも。

日本・フランス・イタリアときて……次はどこかな? 次作も楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(時代物・近代)
感想投稿日 : 2016年9月11日
読了日 : 2016年9月10日
本棚登録日 : 2016年9月11日

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