海堂さんのバチスタシリーズの流れにある「ナニワモンスター」です。文庫版の発売を気に、単行本を図書館にて。
得意の医療ミステリーと思いきや、大きく良いほうに期待を外して、政治色の強い、日本の官僚社会を批判するようなストーリー。久しぶりに、着地点が全く見えない話に、読みながらドキドキする小説でした。
キャメル、カマイタチ、ドラゴンの3部構成ですが、時系列では、カマイタチ、キャメル、ドラゴンの順です。
霞ヶ関に関わる部分では、読んでいて自分の位置が行方不明になる難解さがあります。これは私の読書力が不足しているんですが、先を読みたいのに、再確認が必要なのは、歯がゆいです。
本文引用ですが、
「日本の人口は減少に転じ、社会は滅びのフェーズにはいっている。必要なのは拡大文明の背骨を支えた過去のロジックを踏襲ではなく、縮小文明の店じまいルールの新たな構築です。」
これには、正直、シビレました。
バチスタで活躍した白鳥圭介が、キーマンで少し登場。浪速府知事の村雨弘毅は、おそらく当時の橋下さんがモデルですね。
物語の主軸に居る、彦根新吾。この人は、バチスタシリーズのどこに居た人でしょうか?「医療界のスカラムーシュ」と呼ばれる彦根医師の暗躍?も読んでみたい。
バチスタシリーズは、虫食いのランダム読みで、関係性は整理できていないのですが、恐ろしいシリーズですね。
「ナニワモンスター」もお勧めですよ!!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年6月2日
- 読了日 : 2014年5月30日
- 本棚登録日 : 2014年5月30日
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