小冊子は、読むのが辛いよと聞いてはいたものの、かんちゃん(林田さんよりも、こっちの方が好き)の過去と向き合わねば!と妙な責任感で小冊子も読みました。
もちろん、お話は救いがなくて、かんちゃんがただひたすらかわいそうなんですが、おげれつ先生の描き方が絶妙で圧巻です。だんだんと「普通」がわからなくなっていく感覚とか、悪気はないんだけど弓の言動に傷ついていく経過とか、思考力が奪われていく過程、読んでいる側に「だからかんちゃんは殴ってしまったんだ」と納得させつつ決してDVを肯定しない描写、それからブラック企業という日本社会の問題をさりげなく絡める手腕。おげれつ先生って、すごいです。
(上)とつくからには、この巻では終わらないのだと覚悟して読み始めたからか、続くと知らずに読んだエスケープジャーニーに比べると、冷静に読めた気がします。
帯に「好き」のその後 という言葉があるんですが、今まで「好き」から「愛してる」までを体験したことのない秀那の感情がメインで動いていくのが面白いです。
前作の短編では、かんちゃんの心情をメインに動いていたので、秀那はこういうことを考えていたのかと感慨深いです。あと、前作でも非常にエロかったかんちゃんですが、秀那目線のかんちゃんはべらぼうにエロかったです。遊園地デート?のあとのシーンとか、犯罪ものにエロかった。かんちゃん、格好良い。
きっとこの二人は、二人なりの結論を見つけてくれるんだろうと期待?楽観視?していますが、もしこれでバッドエンドで終わったら、号泣しちゃうと思います。それくらい、かんちゃんにも秀那にも、そして弓にも真山にも幸せになって欲しいです。
- 感想投稿日 : 2017年12月19日
- 読了日 : 2017年12月19日
- 本棚登録日 : 2017年12月19日
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