もちろん中谷美紀目当てに劇場に足を運んで、もちろん彼女の演技はいつものごとく素敵だったのですが(そしていつものごとく、少しだけこちらを驚かしてくれる)、それよりもなによりも、あそこまで豪華なキャスティングの中で輝ける大泉洋おそるべし!あんな頭(というかカツラ)で、あんなキンキラキンな成金趣味丸出しの衣装を着せられているのに格好良く見えるとはどういうことだ!
ひとりひとり、愛着を持って描かれているので微笑ましいです。終始コミカルかと思いきや、人生の厳しさや哀しさもちょっと盛り込んだりして。「そうか」と微笑む役所広司の格好良いこと!ああいうのは、経験値を積んだ役者さんでないとだめですね。かと思えば、寺島進が不気味可愛い演技で笑わせてくれて、松山ケンイチが爽やかなストレート演技で風を吹き込み、妻夫木聡が劇場を笑わせてくれたかと思えば、佐藤浩市が情けないほどに小狡い演技で目を引いて。鈴木京香もお歯黒が堂に入り、嫌な女かと思いきや、実は繊細なのかもねと思わせたり、逆にゴーリキーのにやり笑いは人を見た目(や経歴)で判断してはダメなのだと思い出させてくれる。
と、観るところいっぱいの映画ですが、やっぱり中谷美紀・大泉洋夫婦が8割持って行った感は否めません。まさか、あの美しく気高い中谷美紀のあのダンスが拝めるとは。眉毛の太さやおてもやん一歩手前のチークをものともせず、美しくもださい、ださくも美しい寧々を演じた彼女は、やっぱり良い女優さんですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
邦画
- 感想投稿日 : 2014年5月25日
- 読了日 : 2014年12月29日
- 本棚登録日 : 2014年5月25日
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