マリシャスクレーム ‐MALICIOUS CLAIM‐ (メディアワークス文庫 は 1-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2010年6月25日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 23
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接客業――つまりサービスに携わる人間にとって、常に問題となるのはクレーマーの存在です。クレームの発生原因は自分たちにあるかも知れない、顧客である相手にあるかも知れない。でもどういった問題でも話が拗れてしまうと業務に関わる負担も大きくなり、一朝一夕で解決出来る問題ではなくなってしまう。そういうことがある。時には、一企業ではどうすることも出来ず、裁判沙汰となるケースもあるかも知れない。
そうしたクレーム問題と真っ向勝負した作品が本作『マリシャスクレーム』だ。えげつない程に心の歪曲したクレーマーを相手に、クレーム対応の専門会社<エマージェンシーカスタマーセンター>の面々が活躍する物語。
今までの小説にはなかったような、それこそメディアワークス文庫の方針でもある、「いままでにはなかったエンタテインメント」を提供している。
この小説は、接客をやっている人間ややっていた人間、皆に読んで欲しい。辛辣なクレーマーの態度や口調は、読みながら「ああ、こういうのいるいる!」と共感出来ること受け合い。接客をしたことがない人にとっては「まさか、荒唐無稽だ」と感じるかも知れないが、いるんですよ。こういう顧客は。【312P】

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 範乃秋晴
感想投稿日 : 2011年4月22日
読了日 : 2010年12月31日
本棚登録日 : 2010年12月29日

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