感動的であるし、いまも世界のどこかで起こっている問題に目を向けさせてくれる作品でもある。
しかし、ふたりの少女の一人称が交代するのみならず、それぞれを三人称で語った4通りの話法の交代はなんとかならなかったのか。それぞれ書体を変えて区別しやすくしてくれているようだが、それもむしろわずらわしい。
原題"Abela"を「ライオンとであった少女」とした邦題も、適切でないように思う。
ふたりの少女の話が同時進行しているようなのだが、実際に同時進行なのか、時間がずれているのか確信がもてないまま読むことになったのは、あるいは自分に読み落としがあったのかもしれないけれど。
アベラとローザの話がどこかで交叉するであろうことは予想できたが、さあここだと思ったところで肩すかしされたり、伏せられていた事実に驚かされたり、ミステリ的なおもしろさはあった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年6月16日
- 読了日 : 2012年6月8日
- 本棚登録日 : 2012年5月28日
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