"ムスリムが描いた史的イエス”という観点で話題を集めた著書だが、筆者は個人の宗教観を完全に横に置き、学者として純粋且つ丹念に史的イエスの再構築を試みている。
ここで明らかになるナザレのイエスは、後年パウロが創り上げた"救世主"と大きく異なり、世界最強帝国に闘いを挑んだ革命家であり、エルサレム神殿の権威に楯つく強烈なナショナリストであり、地上における神の国樹立を目指すカリスマである。
ここにある"人間"としてのイエスは"救世主"イエスに負けず劣らず、人の心を動かさずにはいられない魅力に溢れている。
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- 感想投稿日 : 2014年9月12日
- 読了日 : 2014年9月12日
- 本棚登録日 : 2014年9月12日
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