喝采 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房 (2014年7月26日発売)
3.23
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本棚登録 : 108
感想 : 14
3

1971年、主人公浜崎順一郎は31歳の時、父親が遺した
探偵事務所を引き継ぐ。
留守電もファックスも普及していない、パソコン、携帯も
なかった時代の話。


公衆電話を多用し、連絡がつかなければ会いに行ってみる
考えてみると大変な労力だなぁ〜
その労力分、ページ数も多くなったのか、と意地悪な
見方をしてしまう。


物語は浜崎がとあるデパートで女性達がバーゲンのワゴンに
群がっている中、スリの現場を目撃
この小さな出来事が事件の幕開けとなっていきます。


ある日、若い女性が尋ねてきて浜崎に「母を探して欲しい」と
調査依頼をします。栄子の母親は元女優の神納絵里香
絵里香は所属していた、日新映画の社長の愛人であり
社長と揉めてからは映画界から姿を消していた


浜崎は当時の親しかった知人から絵里香を見つけ出し
栄子と一緒に会う約束を取り付けたが
当日、依頼主の栄子が来ない、そして部屋で待っているはずの
絵里香も電話に出ない。


娘が来なかった事を伝えるため、絵里香の部屋へ行くと
神納絵里香が殺害されていて第一発見者となってしまう


警察の事情聴取で浜崎は栄子という女性が母親探しを
依頼していないと聞き混乱する。浜崎は警察に疑われ
栄子に会うために再び、家に行ってみると
彼女は事務所に調査依頼をしにきた女性とは別人で
浜崎がデパートでスリ事件を目撃した時の被害者女性だった。


栄子に成りすました女性は何者だったのか
父親の一周忌に目撃したちょっとした事件から
始まり、父親が亡くなる直前に調査していた
現金輸送車襲撃事件が浮上してくる、絵里香殺しと
微妙な線でどう繋がっていくのか。


王道なハードボイルドで70年代の風景が甦ります
映画界のドロドロにヤクザやスリ女
浜崎のお気に入りがバヤリースのオレンジジュース
女性の服装はパンタロン、
若い人には分からないであろう用語も多々
う〜ん私は違和感なく読めてしまいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月22日
読了日 : 2015年5月13日
本棚登録日 : 2015年4月22日

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