ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

  • NHK出版 (2014年9月25日発売)
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【感想】
なんてゆうか、久しぶりに完全に理解することをギブアップした本でした。笑
僕がバカだからなのか、途中からこの本は一体何を伝えたいのか殆どわからない。。。
前にも「ピーターティール 世界を手にした反逆の起業家の野望」という本を読みましたが、それと同じくらい意味不明な内容でしたね。笑
1つだけわかったことは、「こんな本を書けるピーターティールは変態だ!」という事くらいでしょうか。

とまぁ、難読に苦しんだ1冊ですが、理解できた範囲でReviewを書きます。
何と言っても主題は、タイトルにもある「Zero to One」に終始するのでしょう。

「Zero to One」というと、「今までにない新しいテクノロジーを生み出す事かな?」と思ったのですが、詳細は少し異なるようです。
「新しいテクノロジーを生み出す」という点は正解ですが、ただそれが「既存の市場で新しい製品を作り出す」のではなく、「新しい市場自体を創り出す」といったところが肝。
要するに、無駄な競争をはじめからしないで済むように、「新しく創出したブルーオーシャンを、圧倒的に独占・拡大しろ!!」という意味のようです。
確かにゼロサムゲームになってしまうと結局は価格競争・値引き合戦になってしまい、負のスパイラルを生み出しますもんね。

ただ、だからといって新しい市場にチャレンジしても成功しなかったり、そもそもニッチな市場のまま終わってしまうリスクもあるわけで・・・
新しい何かを生み出すって本当に大変ですよね。

イノベーション能力の乏しいイチ会社員の僕にとっては、些か高尚すぎる内容の1冊でした。
起業を考えている人が読んだら参考になるかもしれませんね♪


【内容まとめ】
0.独占しろ、競争するな。
競争は負のスパイラル(値下げなど)を生み出し疲弊するだけ・・・
小さな市場を圧倒的に独占し、もしくは新しい市場を開拓・独占し、独占⇒拡大を続ける事で「ゼロサムゲーム」から抜け出す!

1.Zero to One
新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。同じやり方で繰り返せば、1がnになる。
だけど、新しい何かを生み出せば、ゼロが1になる。この新しいものを生み出すという難事業に投資しなければ、アメリカ企業に未来はない!

2.グローバリゼーション(水平的進歩) <<<< テクノロジー(垂直的進化、ZERO to ONE)
これまで富を創造してきた古い手法を世界中に広めたところで、生まれるのは富ではなく破壊だ。
資源の限られたこの世界で、新たなテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能である。

だが・・・前世紀半ばから劇的に進化したのはコンピュータと通信くらいで、僕らの環境は驚くほど祖父や親世代とは変わっていない。

3.ピーター・ティールの逆の原則
・小さな違いを追いかけるより大胆に賭ける。(>>>:少しずつ段階的に前進すること。)
・出来の悪い計画でも、ないよりはいい。(>>>:計画性に捉われず、無駄なく柔軟・フレキシブルであること。)
・競争の激しい市場では収益が消失する。(>>>:機が熟さないうちに新しい市場を創らず、既存顧客のいる市場から始める)
・販売はプロダクトと同じくらい大切だ。(>>>:販売ではなくプロダクトに集中すること。)



【引用】
ピーター・ティール
・投資家
・世界最大のオンライン決済システム「ペイパル」の共同創業者
・エンジェル投資家(ごく初期のベンチャー企業に投資する)のヘッドファンドマネージャー
・Facebookの最初の外部投資家
・「ペイパルマフィア」のドン


p19
新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。同じやり方で繰り返せば、1がnになる。
だけど、新しい何かを生み出せば、ゼロが1になる。この新しいものを生み出すという難事業に投資しなければ、アメリカ企業に未来はない!


p27★
・ほとんどの人はグローバリゼーション(水平的進歩)が世界の未来を左右すると思っているが、実はテクノロジー(垂直的進化、ZERO to ONE)の方が遥かに重要だ。
これまで富を創造してきた古い手法を世界中に広めれば、生まれるのは富ではなく破壊だ。
資源の限られたこの世界で、新たなテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能である。

前世紀半ばから劇的に進化したのはコンピュータと通信くらいで、僕らの環境は驚くほど祖父や親世代とは変わっていない。
21世紀をこれまでより平和な繁栄の時代にしてくれる新たなテクノロジーを創造することが、僕らに与えられた挑戦なのだ。


p28
新しいテクノロジーを生み出すのは、大体ベンチャー企業、つまりスタートアップだ。
大組織の中では動きが遅く、既得権者はリスクを避けたがる。対極にいる孤独な天才は、ひとつの産業を丸ごと創造するまではできない。


p35
・ドットコムバブル(1998年9月~2000年3月)
まず背景にあったのは、インターネット以外に頼る場所のない世界だったということ。
ロシアが通貨を切り下げ国債をデフォルトしてルーブル危機につながり、ヨーロッパのユーロ発足には疑いと反感が根強かった。
アメリカは消去法として、インターネットによるニューエコノミーに頼るしか道はなかった。

ドットコムバブルは強烈かつ短命に終わる。わずか18ヶ月の狂騒であった。
毎週数十社ものスタートアップが競い合うように派手なローンチ(立ち上げ)パーティーを開いて、ペーパー億万長者は大盤振る舞いで飲み食いを重ね、そのツケをスタートアップの株式で支払おうとした。


p40
・ドットコムバブル崩壊から学んだ4つの大きな教訓=スタートアップ界の戒律。
1.少しずつ段階的に前進すること。
→自分に酔わず、大口を叩かない。世界を変えたいなら謙虚であり、また小さく段階的な歩みだけが安全で正確な道だ。

2.無駄なく柔軟であること。
→ビジネスの先行きは誰にも分からない。計画を立てるのは傲慢であり、計画性に欠ける。試行錯誤を繰り返してフレキシブルに対応すること。

3.ライバルのものを改良すること。
→機が熟さないうちに新しい市場を創ろうとしてはならない。既存顧客のいる市場から始めること。

4.販売ではなくプロダクトに集中すること。
→テクノロジーは製品開発にこそ活かされるべき。販売のために広告や営業が必要だとしたら、プロダクトに問題がある。


しかし、むしろ正しいのは、それと逆の原則だ!!
1.小さな違いを追いかけるより大胆に賭ける。(>>>:少しずつ段階的に前進すること。)
2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい。
3.競争の激しい市場では収益が消失する。
4.販売はプロダクトと同じくらい大切だ。


p45
・永続的価値を創造して取り組むためには、差別化のないコモディティ(必需品、日用品)ビジネスを行なってはならない。
「完全競争」が理想的なデフォルト状態とされているが、実際は資本主義と競争は対極にある。
資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。


p58
・イデオロギー(思想)としての競争
クリエイティブな独占環境では、社会に役立つ新製品が開発され、クリエイターに持続的な利益がもたらされる。
競争環境では、誰も得をせず、大した差別化も生まれず、皆が生き残りに苦しむことになる。
それなら、なぜ人は競争を健全だと思い込んでいるのだろう?

それは、「競争とはイデオロギーである」からだ。
社会に浸透し、僕たちの思考を歪めているのが、まさにこのイデオロギーだ。
僕たちは競争を説き、その必要性を正当化し、教義を実践する。その結果、自身も競争の中に捕われる。


p64
今日のシリコンバレーで人付き合いの極端に苦手なアスペルガー気味の人間が有利に見えるのは、ひとつにこうした模倣競争が不毛だからだろう。
空気を読めない人間は、周囲と同じことをしようと思わない。
物づくりやプログラミングの好きな人は、一人淡々とそれに熱中し、卓越した技能を自然に身につける。そして自分の信念を曲げない。
だから、分かりやすい成功につられて周囲の大勢との競争に捕われることもない。


p75
・プロプライエタリ テクノロジー
ビジネスの1番根本的な優位性。
ビジネスの核となるサービスが、他社のそれと少なくとも10倍は優れているかどうか?それ以下ではそこそこの優位性としか見なされず、甲乙つけがたい。
10倍優れたものを作るには、全く新しい何かを発明すること。何もなかったところで価値あるものを作れば、価値の増加は無限大となる。


p90
・人生は宝クジじゃない。
「浅はかな人間は運を信じ、流れを信じる。強い人間は因果関係を信じる」

幸運とは自らが引き寄せ、支配し、操るとのとされてきた。自分ができることを行い、できないことに目を向けるべきではないと考えるのが当たり前だった。


p109
曖昧な楽観主義はそれ自体矛盾している。誰も計画を持たないのに、どうして未来が良くなると言えるのだろう?


p127
たとえ君が非凡な才能を持っていたとしても、必ずしも起業がベストとは限らない。今は起業する人が多すぎる。
「べき乗則」を理解している人なら、ベンチャーを立ち上げることに躊躇するはずだ。成長著しい超優良企業に入社すれば、破格の成功をローリスクで手に入れる事が可能だからだ。

あえて起業するなら、必ず「べき乗則」を心に留めて経営しなければならない。
1番大切なのは、「ひとつのものが他のすべてに勝る」パレートの法則だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: お勉強
感想投稿日 : 2020年5月22日
読了日 : 2020年5月22日
本棚登録日 : 2020年5月22日

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