金持ち父さん貧乏父さん

  • 筑摩書房 (2000年11月9日発売)
3.89
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4

【感想】
「お金を稼ぐために働くのではなく、お金に働かせる」
「そしてそのためにはお金に関する知識、ファイナンシャル・リテラシーを高めなければいけない」
これが本著の主題だろう。

自分自身、お金のために時間を切り売りして働く「ラットレース」から全く抜け出せてはいないけど、たとえ抜け出したとしてそこにそれ以上の地獄が待っているんじゃないか?と疑問に思う。
知らぬが仏なのか、頭を働かせてしっかりと知って色んな問題に立ち向かうのか、どちらの方が幸運なのか?
何も分からないが、ただ1つだけ言える事は、多数の「ラット」がいないと、この世の中はまわらなくなるっていう事だね。

とは言え、お金の勉強はしっかりとしていて損はないだろう。
果たして答えがあるのか?
ゴールが全く見えないくらい途方もない作業だけども・・・

今のままでいいのかと、「気付き」を与えてくれる良著ですね。


【内容まとめ】
1.良い教育を受け、いい成績を取るというのはもはや成功へのパスポートではない。
どうやったらそれを買うためのお金を作り出せるだろうか?
何も考えずに「それを買うお金はない」と考えてしまうと、頭が働くのをやめてしまう。

2.お金は力だ。だが、それよりも強いのはお金に関する教育だ!
お金がどのように働くか、その仕組みをマスターすれば、お金に働かせて富を築くことができる!

3.お金を自分のために働かせる方法を学ぶのは、一生を通じての勉強だ。
大抵の人は大学に四年通い、それで勉強は終わりだ。でもお金についての勉強は一生続く。
学べば学ぶほど、知らなくてはならないことが出てくる。

4.感情に対してただ反応する人間ではなく、それを観察して考える人間になることを覚えておくんだ。
大抵の人は、自分の行動や思考を支配しているのが感情だということに気付いていない。
感情は感情として持ち、それとは別に自分の頭で考える方法を学ばなくちゃいけない。

5.人生で1番大事なのは、どれだけのお金を稼げるかではなく、どれだけのお金を持ち続けることができるかだ。
金持ちになりなければ、お金について勉強しなければならない。

6.「どうやってお金を稼ぐか」ではなく「お金をどう使うか?」
つまり、「お金を稼いだ後どうするか?」が大切!

7.会社は金持ちを守るもの
会社の所得税率は個人の所得税率よりも低い。
さらに会社の場合、支出の一部は経費として、税を払う前の収入から差し引く事ができる。

8.あなたの経済状態を改善するための戦略の一つとして、会社を所有し、自分の資産をすっぽり覆ってしまうことを強くオススメする。
会社を持っている金持ちは、
①稼ぐ
②お金を使う
③税金を払う

会社の為に働いてる人々は、
①稼ぐ
②税金を払う
③お金を使う

9.テキサス人の生き方
勝った時はそれを誇りにするが、負けた時はそれを自慢にする。
テキサス人は失敗を葬り去ったりしない。失敗によって意気を奮い立たせる。
失敗を受け入れ、それを元気の源に変える。
失敗からエネルギーをもらって勝利者になる。

10.この本の1番のポイント「欲しいものは、まず自分が与えれば、増えて返ってくる!」
何かが足りないとか、何かが必要だと感じた時には、まずそれを人に与えること。
そうすればそれが2倍3倍になって帰ってくる。

11.今やっていることをやめる。
ちょっと休みをとって自分の生活を振り返り、今やっていることでうまくいっていることといっていないことは何かを見極める。
前と変わらず同じ事をやり続けながら別の結果を期待するのは馬鹿げている。
今やっている事を見直したら、うまくいっていないことはやめて、新しくやることを探すようにすればいい。


【引用】
p9
世界は変わりつつある。それなのに、親が子に与える忠告は変わっていない。
良い教育を受け、いい成績を取るというのはもはや成功へのパスポートではない。


p11
・ロバートキヨサキの教材
「ラットレース」を抜け出して、「ファースト・トラック(高速車線)」へ移る。

・ラットレース
平均的な教育を受け、真面目に働く人の一生を思い浮かべてみると、一つの共通したパターンがある。
「給料は増えたのに、そのお金はどこに行ってしまったのだろう?」

退職の日までがむしゃらに働き続けなければならない。
会社に利益をもたらすために働き、政府に税金を払うために働き、銀行にローンを返すために働き、クレジットカードで買い物の支払いをするために働く。


p26
2人の違い
一方の父は「金への執着は悪の根源だ。」
もう一方の父は「金がない事こそが悪の根源だ。」


p28
どうやったらそれを買うためのお金を作り出せるだろうか?
何も考えずに「それを買うお金はない」と考えてしまうと、頭が働くのをやめてしまう。


p34
お金は力だ。
だが、それよりも強いのはお金に関する教育だ!
お金がどのように働くか、その仕組みをマスターすれば、お金に働かせて富を築くことができる!


【第1の教え】「金持ちはお金のためには働かない」
中流以下の人間は、お金のために働く。
金持ちは自分のためにお金に働かせる。

貧乏になるのは諦めてしまうからだ。諦めないかぎりは貧乏じゃない。
1番大事なことは、おまえたちが何かをやったということだ。
世の中にはお金持ちになる話ばかりで、夢ばかり見て終わる人たちがたくさんいる。


p52
人生が誰よりも優れた先生だってことだ。
もし人生から教訓を学ぶことができれば君は成功する!
人間には2種類ある。
一つは人生に突き回されても、ただそのままにしておく人たち。
もう一つは怒って突き返す人だ。
でも多くの人は突き返すときに相手を間違える!
みんな人生が自分をつついてるとは知らないからな。


p61
お金を自分のために働かせる方法を学ぶのは、一生を通じての勉強だ。
大抵の人は大学に四年通い、それで勉強は終わりだ。
でもお金についての勉強は一生続く。
学べば学ぶほど、知らなくてはならないことが出てくる。


p67
朝起きて仕事に行き、請求書を払う。その繰り返しだ。
彼らの人生はずっと恐怖と欲望という2つの感情に走らされ続ける。
そういう人は、たとえお金を多くもらえるようになっても、支出が増えるだけでパターンそのものは決して変わらない。
これが私が「ラットレース」と呼んでいるものなんだ。


p72
感情に対してただ反応する人間ではなく、それを観察して考える人間になることを覚えておくんだ。
大抵の人は、自分の行動や思考を支配しているのが感情だということに気付いていない。
感情は感情として持ち、それとは別に自分の頭で考える方法を学ばなくちゃいけない。


【第2の教え】お金の流れの読み方を学ぶ
p87
・お金について知らなければ、お金は出て行くばかり
人生で1番大事なのは、どれだけのお金を稼げるかではなく、どれだけのお金を持ち続けることができるかだ。
金持ちになりなければ、お金について勉強しなければならない。


p96
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金を取って行く

金持ちになりたいのなら、ただ「資産を買う事」に生涯を捧げればいい!


p101
「どうやってお金を稼ぐか」ではなく「お金をどう使うか?」
つまり、「お金を稼いだ後どうするか?」が大切!

大抵の人はキャッシュフロー(お金の流れ)を理解していない。
「自分のためにお金を働かせる」方法を知らないでいるため、必要以上に働き続けている。


p110
・家は資産ではない
家計からお金を吸い取っていくからには、それは「負債」なのだ。


p115
1番大切な事は、資産と負債の違いを知る事だ。
そして、収入を生む資産を買う事だけに努力を集中する。
これが金持ちになるための道を歩み始める最善の方法だ。


【第3の教え】自分のビジネスを持つ
多くの人がいつもお金に苦労している直接の原因は、大抵の場合、一生他人のために働いていることにある。

p127
・本当の資産とは何か?
1.自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス。
2.株
3.債権
4.投資信託
5.収入を生む不動産
6.手形・借用証書
7.音楽や書籍などの著作権・特許権
8.その他、価値のあるもの


p130
今の仕事を続けながら、その一方で自分のビジネスを持つ事を考えるべきだ。
本当の意味での資産を増やし、それを維持することを意味している。
一度手にしたお金は二度と出て行かないようにする。
「お金に働かせること」を常に意識する!


【第4の教え】会社を作って節税する
お金に関する知識を持たずに安定した職についている人間には逃げ道は見つからない!!
・会社は金持ちを守るもの
会社の所得税率は個人の所得税率よりも低い。
さらに会社の場合、支出の一部は経費として、税を払う前の収入から差し引く事ができる。

p139
・法律を知らないと高くつく
=世の中の仕組みを知らないと高くつく!

「知識は力だ。」
お金と同時に大きな力も手に入るが、それを維持して何倍にも増やすためには、適切な知識が必要だ。
反対に、知識がなければ人生に突つき回されるだけだ。


p144
・ファイナンシャル インテリジェンス
=ファイナンシャルI.Q

1.会計力(=ファイナンシャル・リテラシー)
扱うお金の量が多くなるほど、その扱いに正確さが要求される。
賃借対照表や損益計算書といった財務諸表を読んで理解できる能力を取得する事。

2.投資力
「お金がお金を作る科学」。
投資には戦略と方式が必要とされる。

3.市場の理解力
「需要と供給の科学」。
市場の人為的側面、つまり人間の感情によって左右される側面を知る必要がある。

4.法律力
会計、投資、市場に関する専門知識のまわりを「会社」という殻で包むと、資産を大幅に増やすのに役立つ。
会社を持つことによって得られる税の優遇措置や保護など、サービスに関する知識を持っている人間は金持ちになれる!


p148
会社を持っている金持ちは、
1.稼ぐ
2.お金を使う
3.税金を払う

会社の為に働いてる人々は、
1.稼ぐ
2.税金を払う
3.お金を使う

あなたの経済状態を改善するための戦略の一つとして、会社を所有し、自分の資産をすっぽり覆ってしまうことを強くオススメする。


【第5の教え】金持ちはお金を作り出す
頭がいい人よりも度胸のある人の方が成功への道を先へ進んでいく。
専門知識と同時に「度胸」が必要だ。
リスクを負うこと、大胆になること、恐怖を力と知恵に変えること。


p173
ファイナンシャル・インテリジェンスを常に高めることのもう一つの効能は、ごく単純に「チャンスが増える」ということ。
ファイナンシャル・インテリジェンスが高くなればなるほど、その取引が有利かどうか見分けるのが簡単になる。
学ぶべきことはいくらでもあるが、学べば学ぶほど、より多くのお金を作り出すことができる。

お金に関する哲学の基本は、資産欄に種を蒔くことだ。


p178
・プロの投資家と呼ばれるタイプ
ばらばらになっているチャンスを集めて組み立てる。
パッケージ化されたものではなく、カスタマイズされたチャンスを自ら創る人。

1.他の人が見過ごすチャンスを見つける技術
情報の上辺だけで見過ごさず、しっかりと内面を探る能力。

2.資金を集める技術
投資は「買う」だけではない。「知っている」ことの方が大きな役割を果たす。

3.頭の良い人間を集めて組織する技術
賢い人間は、自分より賢い人間と仕事をするか、またはそういう人間を雇う。


p180
どんなことにもリスクはつきものだ。
だからこそ、それを避けるよりもうまく乗り越える方法を学ぶことが大切だ。


【第6の教え】お金のためではなく学ぶために働く
p184
残念ながら、実際の社会で成功するには、優れた才能だけでは不十分だ。
お金持ちになるには、あと一つ技術が必要だ。
言い換えれば、ほとんどの人がもう一つ技術を習得しさえすれば、収入を大幅に増やすことができる!


p190
「いくら稼げるか」ではなく、「何を学べるか」で仕事を探しなさい
将来を見渡しながら、自分はどんな技術を習得したいと思っているか、じっくりと考えることが大事!


p195
・専門を極めるより、広い知識を
専門性を高めれば高めるほど動きが取れなくなり、またその専門性は他では融通がきかない恐れもある。
専門にこだわらず、広い範囲で物事を学び、「稼ぐ」ことよりも「学ぶ」ことに重点を置くこと。

人生で成功するのに必要不可欠なのは、書く・話す・交渉するといったコミュニケーション能力。
他人と意思を疎通させる能力だ。


【実践その1】
まずは5つの障害を乗り越えよう
1.恐怖心
2.臆病風
3.怠け心
4.悪い習慣
5.傲慢さ


p204
・第1の障害 お金を失うことに対する恐怖心
損をするのが怖いのは当たり前だ。
問題は恐怖そのものではなく、それに対する対処の仕方。
損をした時にそれにどう反応するかが問題なのだ。
失敗に対する対処の仕方が人生に違いを生み出す!

テキサス人の生き方
勝った時はそれを誇りにするが、負けた時はそれを自慢にする。
テキサス人は失敗を葬り去ったりしない。失敗によって意気を奮い立たせる。
失敗を受け入れ、それを元気の源に変える。
失敗からエネルギーをもらって勝利者になる。


p211
・バランスよりも一点集中
金持ちになりたければ、焦点を絞らなければダメだ。
たくさんの卵を少ない数のカゴに入れる、これが秘訣だ。
わずかな卵をいくつものカゴに分けて入れるというのではダメなのだ。


p221
・忙しい人が1番の怠け者
忙しすぎて自分の財産や健康に注意を払うことを怠けている人たち。
いつまでも忙しい状態を続けるのは、自分が真正面から立ち向かなくてはならない問題を避けるために他ならない。
これこそが「怠慢」の形だ。忙しい状態を続けることで、怠け続ける。


・怠け心につける薬は「欲張り心」
「それを買うお金はない」という言葉を口にせず、「どうやったらそれを買えるようになるか?」と自問すること。


p230
・【第5の障害】無知を隠すために傲慢になる
傲慢さというのは、エゴに無知が加わったものだ。
傲慢さが頭をもたげてくると、いつも私は損をした。
自分が知らないと気付いたら、その分野の専門家を探すか、自分で自分を教育し始めることが大切だ。


【実践その2】
スタートを切るための10のステップ
1.強い目的意識を持つ「精神の力」
なぜそんな超人的な努力と犠牲を要する夢に自分を駆り立てるのか?
→自分自身と、愛する人たちのためにやっている。困難を乗り越え、犠牲を払うための原動力は愛。


2.毎日自分で道を選ぶ「選択する力」
自分の時間やお金をどう使うか、何を学ぶかは私たちが毎日選択すべきことなのだ。


3.友人を慎重に選ぶ「協力の力」
友人や周りの人から多くを学ぼう!
お金に興味があって、それについて話す事が好きな人から学ぶ。
貧乏な人や臆病な人の言う事を真に受けてはいけない!そういう人達は、ことお金に関しては臆病なチキンリトルにすぎない。

富を築くためのハードルで最も難易度が高いのは、自分自身に正直になり人と違ったとをするのをためらわないこと。
割りのいい儲け口があったとしても、それが新聞に載る頃には殆どの場合もう遅すぎる。
「いい波は必ずまたやってくる。」
待つこと。波が行ってしまった後に焦ってそれに乗ってはいけない。


4.新しいやり方を次々と仕入れる「速習の力」
その人がどうなるかは、学んだ事によって決まる。
「何を学ぶかは慎重に決めなさい。頭脳はとても大きな力を持っていて、その中に詰め込んだものによってアナタがどうなるか決まる。」

金儲けの方法をマスターする鍵は、より速く効果の上がる方法を探すことだ。
全てが変わっていく今日においては、自分の今ある知識など時代遅れになっている場合が多い。
大切なのは、「新しい知識をいかに速く学ぶことができるかどうか」だ。


5.自分に対する支払いをまず済ませる「自制の力」
自分で自分をしっかりコントロールできない人は、金持ちになるのを諦めた方がいい。
自己抑制能力をつけるのが先決だ。
金持ちと中流以下の人とを分ける鍵は、この自己抑制能力にある!!

・キャッシュフローの管理
・人の管理
・自分の時間の管理
この3つはどんな人、どんな事にと当てはまる。


6.優秀なブローカーにたっぷり払う「忠告の力」
マージンを払ってでも優秀なパートナーを見つける。マージン分の収入はしっかりと得る事ができる!


7.元手は必ず取り戻す「タダで何かを手に入れる方法」
優れた投資家がますま考えるのは、「自分が投資したお金をいかに短期間で取り戻すか」
投資収益というものが非常に重要!!


8.贅沢品は資産に買わせる「焦点を絞る力」
「消費したい」という欲望を利用して、自分の中にある「お金に関する才能」に刺激を与える。


9.教える事で得る「与える事の力」
・10分の1税
「何か欲しいものがあったら、まず与えなければダメだ」

この本の1番のポイント
→欲しいものは、まず自分が与えれば、増えて返ってくる!
何かが足りないとか、何かが必要だと感じた時には、まずそれを人に与えること。
そうすればそれが2倍3倍になって帰ってくる。


p266
・今やっていることをやめる。
ちょっと休みをとって自分の生活を振り返り、今やっていることでうまくいっていることといっていないことは何かを見極める。
前と変わらず同じ事をやり続けながら別の結果を期待するのは馬鹿げている。
今やっている事を見直したら、うまくいっていないことはやめて、新しくやることを探すようにすればいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マネー
感想投稿日 : 2018年10月9日
読了日 : 2018年10月9日
本棚登録日 : 2018年10月9日

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