緋色の研究、四つの署名と続いて三冊目のホームズは短編集。有名な「赤髪組合」や「まだらの紐」「ボヘミアの醜聞」なんかが収録されている。
ただ、本来『シャーロックホームズの冒険』には十二編収録されているらしいのだが、この新潮社版では紙幅の都合により十編しか収録されていないのが気に入らない。収まらなかった分は『シャーロックホームズの叡智』に収録されているけれど、刊行順に読みたい身としては納得いかない……。
さて個人的に、この本でホームズの魅力を感じ始めた。
それはやっぱり最初に収録されている「ボヘミアの醜聞」によるところが大きいと思う。ホームズの敗北が、かえって彼に親しみを感じさせてくれるから。それからホームズがやたらワトスンを親友扱いしているのも見ていて微笑ましい。
でもワトスンって記録人ではあるけど助手ってほどの働きしてるかな? 信頼できる親友が傍にいるだけで心強い、とホームズは言っているのでメンタル面でのサポートなんだろうか。
あと今回気になったのはこの時代のイギリスの変装術について。腕が良い人がやれば親しい人が近くで見ても騙せるレベルらしいけど、現代の映画の特殊メイクさえ、至近距離ならメイクだと気づくと思うのだけれど。このあたりはファンタジー的な設定なのだろうか?
まあこの変装術のおかげで、「唇の捩れた男」のホームズの登場シーンは劇的で面白かったのだが。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2018年1月28日
- 読了日 : 2018年1月28日
- 本棚登録日 : 2018年1月28日
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