シンプルなタイトルから、吹奏楽部を舞台にした煌めく青春ドラマを想像してしまうが、必ずしもそのような内容ではない。80年代初頭の高校吹奏楽部時代の回顧と、四半世紀が経った現在を行き来しながら語られるのは、癖のある部員たちと共に演奏することの楽しさや、当時の学生を取り巻く音楽の魅力(蘊蓄満載で面白い)、そして音楽から離れて日々の暮らしに精一杯な現在にあるきっかけで再結成する運びとなった部員たちの現在。津原さんの独特な、淡々とした語り口で、落ち着きつつもどこか可笑しくて、感傷的になりすぎずもどことなく哀愁を漂わせる雰囲気になっているように思う。
当然ミステリーものではないが、結末はある意味予想外だった。
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- 感想投稿日 : 2017年6月9日
- 読了日 : 2017年6月9日
- 本棚登録日 : 2014年1月31日
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