「反脆い」もしくは「反脆弱性」という新しくて分かりづらい概念を説明している書籍です。著者はブラックスワンで有名なタレブ氏で、上・下巻の二巻構成になっています。
分かりづらい概念ではありますが、本書を読み進めるうちに自分の周りにも「反脆い」システムがありふれていることに気づきます。特に生態系は最も分かりやすい反脆弱なシステムと感じました。地球という生物にとっての生存環境が長い年月をかけて変化し続ける中で、多数の生物が存在することが全体として反脆弱なシステムになっています。一方で一つの種に視点を移すと、環境の変化に適応できずに絶滅する種はいつでも存在するので「脆い」と言えます。多種多様な「脆い」種が存在することが、全体として「反脆い」生態系というシステムを形成しているという考え方です。
本書では他にもあらゆる事例や視点から反脆弱性について検証されており、世界を理解する新たな視点を得ることができ、視野が広がったと感じます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2022年7月10日
- 読了日 : 2022年5月28日
- 本棚登録日 : 2017年8月16日
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