反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

  • ダイヤモンド社 (2017年6月21日発売)
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本棚登録 : 150
感想 : 10
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「反脆い」もしくは「反脆弱性」という新しくて分かりづらい概念を説明している書籍です。著者はブラックスワンで有名なタレブ氏で、上・下巻の二巻構成になっています。

分かりづらい概念ではありますが、本書を読み進めるうちに自分の周りにも「反脆い」システムがありふれていることに気づきます。特に生態系は最も分かりやすい反脆弱なシステムと感じました。地球という生物にとっての生存環境が長い年月をかけて変化し続ける中で、多数の生物が存在することが全体として反脆弱なシステムになっています。一方で一つの種に視点を移すと、環境の変化に適応できずに絶滅する種はいつでも存在するので「脆い」と言えます。多種多様な「脆い」種が存在することが、全体として「反脆い」生態系というシステムを形成しているという考え方です。

本書では他にもあらゆる事例や視点から反脆弱性について検証されており、世界を理解する新たな視点を得ることができ、視野が広がったと感じます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2022年7月10日
読了日 : 2022年5月28日
本棚登録日 : 2017年8月16日

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