毎日クルコフ氏のSNSを見て無事を確認している。この本とは発売当時に出会い、私を新潮クレスト・ブックスへ導いていくれたうちの1冊(もう1冊は『朗読者』)。今手元にないので応援の気持ちを込めて購入。当時はペンギンと暮らすという設定に魅かれて読んだ。新聞の追悼記事を匿名で書く作家のヴィクトルとうつ病のペンギンのミーシャと妙な縁で預かることになった少女ソーニャとその子守として雇った娘ニーナの疑似家族的4人暮らし。私もペンギンに胸を膝に当てて甘えて欲しい。ヴィクトルに常に付きまとう死の影が作品全体にも不穏な影を落とす。当時はソ連崩壊直後の混乱と暗さを表現していると思って読んだが、今またウクライナはロシアの暴力下に。頁を繰り始めてすぐにキエフ、ハリコフ、オデッサと最近馴染みになってしまった地名が並ぶ。こんなに連日ニュースで見るようなことになるとは。そしてキエフ市内の大通りも。今どうなっているのだろう。クルコフ氏はペットの猫とハムスターと国内避難。キエフでは動物園に食料を持参したり、動物を引き取る市民が(それにしても豹って!)。クルコフ氏のツイッターに爆弾が降り注ぐ下にペンギンがいる絵が。一日も早く戦争が終わるよう祈る。
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- 感想投稿日 : 2022年3月9日
- 読了日 : 2022年3月8日
- 本棚登録日 : 2022年3月9日
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