2006年以来15年ぶりの再読。
本作は「11人いる!」「百億の昼と千億の夜」に続くSF長編で、今後「マージナル」へと。
確かに世界の壮大さと生殖能力が関連しているという意味で、萩尾ワールド。
また生殖能力云々に留まらず性転換という少女漫画的モチーフが出ることで、さらに萩尾ワールドっぽさが増す。
極めつけは「宇宙レベルの孤独」、これが萩尾テーマだろう。
と当時のSFの潮流も何も知らずに書いてみちゃう。
500ページを超える分厚い一巻本を一気読みしたせいか、個人的には、超能力や舞台やがびゅんびゅんと飛ぶなー、と理解できなくはないが実際に体験するほどには迫ってこなかった印象。
70年代後半当時の暴走族カルチャー(?)を取り入れようとする貪欲さ(?)は面白い(萩尾望都って結構流行りを意識してるんだな、と)けれど、それは決して核心に食い込んでこない、とか、セイの認識能力に関するくだりがもっと面白くなりそうなのにな、とか。
セイとエルグが話の中心なのは間違いないのに、活躍する狂言回しがいまひとつモブっぽいのも、やや入り込めなかった理由か。
いや充分面白かったんだけど敢えて言うなら。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2021年9月27日
- 読了日 : 2018年7月16日
- 本棚登録日 : 2018年7月16日
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