トーマの心臓 (1) (小学館文庫 はA 3)

著者 :
  • 小学館 (1995年8月10日発売)
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1974
何度も読んだはずだが今回ようやく気付いたのが、キリスト教でいうユダとイエスの関係が重ねられているのだということ。
今までは少年愛、ギムナジウム、という意匠に、あっけなく惑わされ、いわば気軽に耽溺していたのだ。
なぜトーマは死んだのか。
ユーリが暴力に屈して信仰を捨て(かけ)たからこそ。
→八角形眼鏡のサイフリートは終盤突然差し挟まれた人物では決してなく、創世記でいう蛇的存在だった。
トーマはいわば身を徹してユーリを「正しい道」に引き戻したのだ。
いってみればユーリおまえ全員から愛されているんだぞ、と、作品の外から言ってやりたい。何度でも。
プレ作品である「11月のギムナジウム」と比べるとエーリクがコミカルな活躍をするのも、息抜きになって、よい。
が、個人的には少しスレた感じのオスカーが、ほんっとうによくてよくて。
思わず続けて「訪問者」を読んでしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2021年9月19日
読了日 : 2018年7月16日
本棚登録日 : 2018年7月16日

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