べっぴんぢごく (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年8月28日発売)
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本棚登録 : 480
感想 : 55
4

岡山版「百年の孤独」という惹句だが、どこそこ版だれそれ版「百年の孤独」という売り文句には若干食傷気味。
もちろん内容は別だが。

親子相姦きょうだい相姦はあれど、もと結合@@@相姦というのは初めて。
因果を極める作者ならではだ。

惜しいなーと思うのは、繰り返しが多いこと、説明的地の文が目立つこと、か。
作者の持ち味は十分に出ていると思うし、設定も凄まじいので、足りないのは描写の丁寧さと密度。
「赤朽葉家」級の作品になれただろうに。

女の個性が徐々に薄まっていくのは「豊饒の海」と同じ、時代の浮薄さや因果そのものの「伝説性」の稀釈にもよるのだろう。
しかし因果を絶やすか絶やさぬかの瀬戸際に@@@@を持ち出したあたり、やはり、やっぱり、凄い!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 日本 小説 最近 /女性
感想投稿日 : 2017年8月1日
読了日 : 2017年8月1日
本棚登録日 : 2014年1月24日

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