きつねのはなし (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年6月27日発売)
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本棚登録 : 10421
感想 : 943
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湯浅正明監督「夜は短し歩けよ乙女」で触れたり、アンソロジーで数作読んだだけの森見作品を、初めて一冊通して読んだ。
(「水神」は東雅夫・編「平成怪奇小説傑作集2」で既読。)
で、どれもよかった。
おそらく森見作品群の中では傍流なのではないかと思われる、怪奇幻想もの。
凄惨な奇妙ともいうべき「きつねのはなし」、茫洋な語りそのものがうら恐ろしくなる「魔」。
個人的に好みなのは創作の魔ともいえる「果実の中の龍」は、読んでいるこちらの腹がぎりぎりするようだった。
全作、解かれる謎があるわけではない、謎放置の味わい。
得体の知れなさこそが一番の恐怖だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 日本 小説 最近 /男性
感想投稿日 : 2023年11月22日
読了日 : 2023年11月22日
本棚登録日 : 2023年9月29日

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