「風立ちぬ」でカプローニが二郎に「創造的人生の持ち時間は10年だ。芸術家も設計家も同じだ。君の10年を、力を尽くしていきなさい」と言っていたが、この漫画、1982年から1994年までの連載。
その間に「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」「魔女宅」「紅の豚」を監督している。
駿の原風景であり、哲学であり、世界史なおかつ世界観であり、10年なのではないか。
「もののけ姫」で生ける伝説(というか伝説作り続け)になる以前の。
この漫画は何度も読み返しているが、再度通読した上で、赤坂憲雄「ナウシカ考」を読んでみたい。
1巻。もう絶賛意外に言うことはないが、今回感じたのはヒコーキの良さ。
軽いメーヴェ。早いガンシップ。重いコルベット。単に機体性能の話にとどまらず「あのバカガラス」とけなすなど、愛溢れすぎ。
また、地形図を参照して地中海渓谷に思いを馳せたり、砂に見えるのはすべてセラミックの欠片であって、本来の土や砂は存在しない(それを腐海が再生しようとしている)、本来の土がナウシカらにとっては毒になる、とか、機械はすべて発掘したものを再利用しているに過ぎない、とか、文明の在り方について再考したり、する機会にもしたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2020年5月12日
- 読了日 : 2018年7月17日
- 本棚登録日 : 2018年7月17日
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