劇画家畜人ヤプー【復刻版】

  • ポット出版 (2010年3月17日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 20
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高校生当時にたぶん幻冬舎アウトロー文庫が展開され、その中にあったので1巻だけ買ったが、挫折していた。
その後5巻まで買い積読にしている。
なんと石ノ森章太郎が漫画化していたのか。
ポット出版による復刻版。
丸尾末広が解説文を寄せているのが嬉しい。
造本も美麗。

巻末の、当時の刊行年度を見ると、まさに原作の都市出版社版が出版された翌年には漫画化されているので、石ノ森先生もとからファンだったんだろうな。
思えば1970年、三島は雑誌「奇譚クラブ」連載を愛読していたが、単行本では読ま(め)なかったんだな。
三島と同じく石ノ森先生も雑誌で追いかけていたのかも。
いや、石ノ森の漫画も都市出版社から出ているということは、メディアミックスみたいな形だったのかな。

ざっと見比べる限り、文庫5巻のうち2巻くらいまで、この1巻で漫画化されている。
なんでもこの復刻版は全4巻。

シュガー佐藤に作画を託した2巻以降を買い求めるか、電子で積んでいる江川達也を読むか……。もちろん原作も読みたいけど。

なんでもこの後、アンナ・テラス→アマテラス、スーザン→スサノオ、エンマ・ダイオン→閻魔大王、竹取物語、
のように神話や伝承や古典が、本来はEHSがタイムスリップして観測されたものだったのだ、と読み替えられていくらしい。
歴史ジャックの本ということか。
wikipediaの記事が面白い。百科全書的小説だから、wikipediaとの相性がいいんだろうな。

ところで初めて聞いたのでポット出版について調べてみたら、結構その筋の出版も多い。
田亀源五郎、伏見憲明、松沢呉一……知らなんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2021年7月17日
読了日 : 2021年7月17日
本棚登録日 : 2021年7月14日

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