PTA初長編劇場映画。
短編「シガレッツ&コーヒー」を元にしたんだとか。短編も見なければ。
で、タイトル「ハードエイト」は制作会社につけられたのであって、もとは「シドニー」だったし、PTAは今でもそう呼んでいるんだとか。
……タイトルひとつで見る側の作品解釈や姿勢がかなり変わるな。(ex.鈴木敏夫の命令で宮崎駿「アシタカせっ記」→「もののけ姫」、「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL2」→「イノセンス」)
鑑賞後ネットで調べたら、ロバート・アルトマン「名誉ある撤退〜ニクソンの夜〜」で発見したフィリップ・ベイカー・ホールを起用して、ラオール・ウォルシュ「白熱」のジェームズ・キャグニー(父親代わりのギャング)が生きていたらどうなるか、という想定で練った話なのだとか……んなのシネフィル以外わかるか。
「ブギーナイツ」に比べたらかなりシックな絵作り、話も淡々と展開する。
カメラワークは音楽は言われてみたらPTAっぽいなと思えるくらい。
面白くないかと言われたら全然そんなことなく面白かった、でもPTAの後の傑作群と比べたら、助走段階かなという感じ。
ノワールなんだかミステリーなんだか疑似家族なんだか、既存の枠に当てはめづらい印象……このモヤモヤはヴィム・ヴェンダース「アメリカの友人」でも感じたものなので、やはりノワールに共通する印象なのかしらん。
とはいえ主要4人が全員ばっちり。
とりわけ、いかにもデヴィッド・リンチが好みそうな金髪のグウィネス・パルトローが、カジノの女給にして娼婦という役で、ある場面の取り乱しっぷりが素晴らしい演技だった。
泣いて自身を恥じるというシーンでは「マグノリア」を思い出した。
- 感想投稿日 : 2022年12月28日
- 読了日 : 2022年12月28日
- 本棚登録日 : 2022年12月28日
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